10日、「沖縄・奄美」の世界自然遺産への登録が勧告されました。
登録される予定の地元・国頭村や竹富町は喜びの声にわきました。推薦の一時取り下げやコロナの余波など度重なる逆境を乗り越えたこれまでの経緯も含めてお伝えします。
世界自然遺産への登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」についてきのう、ユネスコの諮問機関IUCN国際自然保護連合)から登録は妥当とする勧告が出されました。
この吉報に県民は・・・
県民「最近コロナの関係で世の中が暗い中で、県民として明るいニュースが出てきたことはいいことかなと考えている」
県民「(登録されることで)世界にも発信できると思うので、多くの外国人にも知ってもらえるいい機会だと思いますし、どんどん訪れてくる機運が高まればいいなと思う」
県民「きれいなままずっと素敵な場所として残していってほしい」
世界自然遺産への登録を巡っては2017年、政府は「沖縄・奄美」の登録をユネスコに推薦していました。その後、現地調査が行われ、IUCNから北部の推薦地域が、小規模で分断された飛び地になっていることなどから、登録の延期が勧告されていました。
仕切り直しを余儀なくされた政府は、推薦をいったん取り下げ、北部訓練場返還地を新たに推薦地域に加え、分断されていた小規模地域をつなげて連続性を持たせるなど背水の陣で対策を練り上げました。そして、おととし再びユネスコに推薦しました。
ところが、2020年、新型コロナの感染拡大で、登録審査を行う世界遺産委員会が延期になり、またも、登録可否の判断は、先延ばしとなってしまいました。
最初の推薦から実に4年、ついにきのう、IUCNは、「国際的にも希少な固有種に代表される生物多様性保全上重要な地域である」として、登録は妥当とする「勧告」を出しました。国頭村知花靖村長「きょうの報告を待ち続けている村民にいい知らせができる。村民みんなで盛り上げていきたいと思っている」
竹富町西大舛髙旬町長「涙も出ました。まさに世界で1つしかないイリオモテヤマネコを徹底的に守っていかなくちゃならないなという思いがさらにわいてきた」
玉城デニー知事「今回本島北部のやんばる地域と西表島の生物多様性が国際的にも貴重であることが認められ、この自然環境を保全することが沖縄県の使命であることを重く受け止めています。引き続き国や地元町村と連携し、世界自然遺産にふさわしい持続可能な地域づくりに取り組んでまいります」
一方、IUCNは西表島における観光客の収容能力について観光管理計画が出来るまでは、観光客の上限を設定するか、減少させる措置をとることや、希少種の事故死を減少させることを要請していて、政府および県は、対応に向けて取り組んでいきたいとしています。
7月に開催されるユネスコの委員会で正式に登録される見通しです。