楽園の海、案内は水中カメラマンの長田勇さんです。今回のテーマは「産卵シーズン到来」です。
長田「今回は渡嘉敷島の海で撮影した水中生物の卵をご覧頂きたいと思います」
長田「4月に入ってから、気温が25℃を超える日が多くなりましたねー。見てください!素晴らしい『ケラマブルー』です。今回、ベストコンディションの渡嘉敷島の海を案内して頂く方は、ダイビングサービス・Vibgyorの番田さんです。まずは、島の南側から潜って見ましょう。綺麗な砂地に小さな根。小魚がたくさん住み着いてます」
番田さん、サンゴの下を見ていますが…
長田「体長4cmのキンセンイシモチが群れています。この時期、卵を口の中に含んでいる状態が見られるんです。わかります?。この魚、メスが産んだ卵をオスが口の中で保育する事で有名なんです」
間違って食べちゃいそう!
長田「およそ一週間、孵化するまで、オスは餌も食べずに頑張ります」
長田「転がっている岩の周辺で番田さんが何か探しています。見つけてくれたのは、体長2cmのアンコウウバウオ。地味な色ですが、目がクリっとしてて可愛らしいです」
ほんとだかわいい!
長田「近くの岩には、産みつけた卵がありました。この卵、金色なんです。この魚、何度かに分けて産卵するため、育ち具合もそれぞれ。平べったい卵、丸くなった卵、目も出来ている卵、と3パターンが1箇所に集まっているんです。心臓がドクドク動いてます子もいます。もう、いつハッチアウトしても大丈夫な状態です」
番田さんが何か指を差していますよ…
長田「同じ場所で17年も住み続けているセジロクマノミ。模様に特徴があるので、同じ個体だと分かるんです。『ビッグマム』って、呼ばれているそうですよ。水温24℃だったこの日、運よく、もうすぐハッチアウトする卵がありました。これ全部、ビッグマムの子どもです。クマノミは、毎年水温が23℃になる頃から、産卵を始めます。ここ渡嘉敷島の海でも4月から始まった感じですが、番田さんによると、ビッグマムにとっては今年初となる産卵だったようです」
みんな元気に育ってくれるといいですね!
長田「今度は、島の西側へ。春といえば、コブシメの産卵シーズンでもあります。ユビエダハマサンゴの近くに、オスとメスの2匹がいます。サンゴに近い方が、メスかと思いきや…これ、オスなんです。卵を産みつける行動にも見えますが、オスのこの行動、10分間のうちに3回ほど見ましたが、これは『ここで、産卵してもいいよ!』とメスに促しているんですよ。安全確認のパトロールって、意味もあるのかも。その後、ようやく産卵が始まりました。場所も入れ替わり、手前にいるのがオスです。サンゴの隙間に卵を生みつけるメス。オスは、ちゃんと産卵に立ち会うんです。それだけでなく、私や番田さんがメスに近づこうとすると、間に入って阻止しようとします。しっかりガードマンしています」
私もそんな男性に守られた~い!
長田「外敵に食べられないため、サンゴの隙間のかなり奥に産みつけてます。卵の大きさは直径2.5cmほど。孵化までは、およそ2ヶ月かかるそうです」