県内では4月1日新たに93人が新型コロナに感染したことがわかりました。飲食に関係するクラスターも起きています。
県によりますと4月1日、新たに感染がわかったのは10歳未満から80代までの男女男女あわせて93人で、県内の累計感染者数は9575人となりました。感染がわかった93人のうち6割近くにのぼる54人の感染経路がまだ明らかになっていません。
また、3月下旬に2件のクラスターが起きていたことが新たにわかっていて、県内の大学に通う大学生10人が泊りがけで夜通し飲み会を続け、9人が感染しました。さらに、浦添市のスナックでは客と従業員あわせて7人が感染しています。
県は飲食の場で感染した人が家庭にウイルスを持ち込むケースが増えているとして、感染予防の徹底を呼びかけています。
きょうから飲食店などに時短要請
県独自の緊急事態宣言解除から1ヵ月、県内の急速な感染拡大を受けて飲食店などに対しふたたび、時短営業の要請が出されました。
期間は、きょうから21日までの3週間。飲食店と遊興施設などは営業時間を午前5時から午後9時までとするよう求められています。対象となるのは、本島中南部の20市町村です。
なお、21日の全期間要請に応じた事業者には84万円の協力金が支給されるということですが、飲食店からは繰り返される時短要請に不安の声が聞こえてきました。
アゲサワ店長「いい方向に向かっていっているのかどうかが、商売をやっている上で見えないっていうのが正直(な気持ち)」
一方で、これまでの時短要請に比べ、営業できる時間が1時間のびたことに対してはその効果は大きいと言います。
アゲサワ店長「前は酒類提供(夜の)7時までというところで、例えば6時に仕事が終わったお客様が歩いてここに見えて、ついたころにはラストオーダーっていう形だったんですけど、1時間延びたぶん、少し猶予があるので、そういう意味では気持ち的にはちょっと楽になったかなって感じはします」
時短要請が夜9時までに延びた一方で、営業開始時間そのものを変えなければならない店もありました。
BAR YASSA・仲本新さん「バーのオープン自体が夜の9時からなので、だから前倒しするしかないです。夕方6時オープンの8時までお酒提供して、9時には完全に閉店という感じ」
また、ことし80歳をむかえる店主は、若い世代に対してお願いがあると言います。
割烹ひさみ・玉寄貞夫さん「商売になりませんよ。うちのお客さんは後期高齢ばっかりだから。(新型コロナに)かかったらこれさ。金儲けの話じゃない、命の話。若いのにもうちょっと我慢して、やってくれれば落ち着くから。その時にまた(会食などを)やればいいんじゃないねということです」
きょうからはじまる時短要請に対して、県民からさまざな声がありました。
20代女性「飲食店が悪いわけではないのでなんとも言えないんですけど、早く時短営業とかがなくなればいい」
60代女性「甘いというか、玉城デニーさんのやりかた。やっぱり観光とか経済とか考えてらっしゃると思うんですけど、もっと強く(防止対策を)してほしい」
80代男性「これだけの感染を封じ込めるためには県民が一丸となって考えなくちゃいけないだろうと、行政にまかせちゃダメですよ」
宣言解除から1ヵ月で、再び時短要請を出す状況になった今、もう一度、私たち1人ひとりの意識ある行動が強く求められています。
アゲサワ店長「早く日常に戻りたい。そこが一番気持ち的に強いです」
BAR YASSA・仲本新さん「1日でも早くコロナが収束して欲しいと思います」
県に新型コロナ対策を担う「感染症対策課」が新設
再び猛威をふるい始め収束の気配が見えてこない新型コロナに対応するため、新たな部署が県庁に設置されました。
4月1日新設された「感染症対策課」では、専任の職員37人と兼務職員21人のあわせて58人で業務にあたります。
県ではこれまで「新型コロナ総括情報部」を設置したものの、臨時的に他の部署から職員の応援を受けながら対応を続けてきました。今回、新たな部署ができることで専任の職員を配置できるようになり、感染対策や医療供体制の確保、ワクチン接種に関する業務などを今まで以上に円滑に進めていく考えです。
感染症対策課・嘉数広樹課長「やることは県民のために正確な情報の収集、分析を行うことで対策を講じること。感染拡大防止のためのPCR検査の拡充などそういったことにしっかり取り組んでいく」