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好調だった県経済を2020年、一気に落ち込ませた新型コロナの感染拡大。その影響は、地価の上昇幅鈍化という形で表面化しています。

土地の取引価格の指標となる公示地価が2021年3月23日発表され、県内の地価は8年連続で上昇したものの、上昇幅は新型コロナの影響で大幅に縮小しました。

国土交通省はきのう、2021年1月1日時点の公示地価を発表し、県内の住宅地や商業地などすべての用途の地価は2020年よりプラス1.2%となり、8年連続の上昇となりました。しかし、新型コロナの影響で2020年の上昇率、10.9%からは大幅に縮小しました。

用途別で見ると、住宅地が1.0%、商業地が0.2%、工業地が17.0%それぞれ上昇していますが、住宅地と商業地の上昇の幅は、2020年より大幅に縮小しています。

県内の住宅地で最も価格が高かったのが、那覇市おもろまち3丁目で1平方メートルあたり38万2000円で、2020年より0.8%価格が下落しました。

商業地で最も価格が高かったのは、那覇市久茂地3丁目で1平方メートルあたり195万円でしたが、こちらも新型コロナの影響で2020年より1.5%下落しました。

沖縄県内の公示地価 8年連続上昇も上昇率は縮小

今回の地価の調査に関わった不動産鑑定士の濱元毅さんは、新型コロナにより観光業などが大きな影響を受けたことで、上昇幅が大幅に縮小したと分析しています。

不動産鑑定士の濱元毅さんは「リーディング産業が観光業で、第3次産業の依存率も8割超ということで、非常に高いところはありますので、観光産業がこれだけダメージを受けると、どうしても県経済全体にダメージを与えているのはしょうがないというところ」と話しました。

商業地の中でも那覇市、とくに国際通りでの地価への影響が顕著だったと話します。不動産鑑定士の濱元毅さんは「商業地がはやりダメージを受けてその中でもやはり、観光業、飲食業をメインとするようなところですね。特に今回目立ったのが、国際通り。これまでは沖縄の地価の伸びの象徴的な場所だったんですけど、国際通りが軒並み下げて、実際コロナがひどく猛威を振るっていた時期というのはかなり空き店舗が目立って、観光客の数がかなり減っていましたし、そういったところでの影響は大きかったと思います」と話しました。

今後の見通しについて濱元さんは、新型コロナによりワーケーションなどへの関心が高まり、郊外などで需要が高まる可能性があると分析しています。