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新型コロナの影響でタイトルを掴み損ねたプロ選手がいます。どん底まで落ちてしまった気持ちを奮い立たせてくれたのはライバルからの熱きメッセージでした。

22歳の若きプロボクサー 福永輝(ふくなが ひかる)選手北谷町出身で地元にある沖縄ワールドリングに所属しています。フェザー級の福永はここまでプロ8勝5KO1敗。ハードパンチと気持ちの強さが売りです。

去年はコロナ禍にあって無観客で行われた全日本新人王戦の西日本代表を決めるトーナメントで見事代表権を獲得。

先月21日、東京後楽園ホールで行われた東日本代表との新人王決定戦のリングにあがるはずでした。

新型コロナからの再起 福永輝選手

福永輝選手「本当に陽性と言われて減量している途中だったので計量前だったのでいろいろなことを考えすぎてパニックになって・・」

試合2日前の2月19日に上京し日本ボクシングコミッションによるPCR検査を受けた結果が陽性だったのです。

西日本代表選手に与えられる真新しいトランクスをはいて新人王を獲得しようとしていた福永選手にとって十分なコロナ対策をしていたはずが、試合すらできないまさかの展開になりました。

福永輝選手「減量のせいではないが免疫力が落ち切っていたということがあって。気持ちの面でメンタルが崩れているので新人王がすべてではないからと棄権を決めた」

再検査して陰性なら出場できる可能性もありましたがジムの中真光石(なかま こうせき)会長と話し合った上で棄権しました。

新型コロナからの再起 福永輝選手

中真光石会長「気を付けても万全を尽くしても(陽性に)なってしまったので。放心状態のような感じだった」

福永輝選手「隔離とかされたり待たされた時間とか東京の状況を見たら、ちゃんと予防とかコロナ対策をしないといけないと感じた」

軽症だったものの東京のホテルで隔離療養となった福永選手には沖縄やボクシング仲間から励ましのメッセージが送られてきました。

その中の一通に大きく心を揺さぶられたと言います。

福永輝選手「前田選手から(メッセージが)来た時には1回負けていてめっちゃ悔しい思いをさせられているので、それで気持ちが変わったというかやってやるというか」

送り主は昨年度のフェザー級全日本新人王でキャリア唯一の黒星をつけられた相手前田稔輝(まえだ じんき)選手でした。

「また前を向いて頑張ろう」「また更なる高みの舞台で戦いたい」拳を交えたライバルからのメッセージに胸は熱くなりました。

新型コロナからの再起 福永輝選手

福永輝選手「格の違いを見せられたので悔しい気持ちもあったしどんなきつい時でもあの人に負けた時のことを思い出せば正直乗り越えてこられたというかエネルギーに変わっていたので。絶対にもう1回あっちが待っているというならリベンジして次は絶対にぶっ倒すという気持ちに戻った」

新人王は手にできませんでしたが前田選手のみならずその力は認められています。すぐに次の試合のオファーが届きました。

中真光石会長「気持ちを切り替えて次に向けて動かないともったいないと思ったのでそのためにも試合は早めに決めるようにした」

福永輝選手「次の試合は決まったのでそれを勝って一気にもう今年、来年には日本タイトルマッチをできる位置にいてすぐ日本チャンピオンになって世界に行けるようにやっていこうと思う」

コロナで失ったチャンスはすぐに拳で取り返す。ライバルからのメッセージを糧に再起の道はすでに始まっています。

ライバルからのメッセージに励まされた福永選手ですが感謝の気持ちを込めてまた戦う時に倒したいというのがボクシングらしいと感じました。その高みを目指してまず決まった次の試合で見事な勝利を見せて欲しいと思います。