東日本大震災からまもなく10年です。被災地では復興が進む一方で、つらい記憶が薄れてきてしまっているのもまた事実です。震災を風化させないために奔走する女性に話を聞きました。
2011年10月。震災から半年後の被災地。10メートルを超える大きな津波に襲われ、今も2500人あまりの行方が分かっていません。
あれから10年。震災直後に47万人いた避難者は4万人に減り、復興に向けた整備が進んでいます。それでも、先月、再び最大震度6強の揺れが東北を襲いました。
黒田典子さん「ものすごい揺れで、最初から東日本大震災のあの時をすごく思い出した。そういう中にあっても私たちはあの時を経験したからこそ動きがみんなとれたと思う。私たち自身に備える気持ちがあの時を経験したからこそあると思っている。」
こう話すのは宮城県で防災士として活動する黒田典子さん。震災後、仲間とともに災害に備えることの大切さを伝える絵本を製作。子どもたちにその思いを伝え続けています。
そして今取り組んでいるのが、震災から10年を機に防災について学ぶオンラインイベント。ウェブ会議システム・Zoomを使って様々な防災の形を発信、提案します。
黒田典子さん「やはり、いざという時に心構えがないと、どうしたらいいのかは日常生活の中のイメージにないと、自分の命を救うことはできない。沖縄のみなさんにも自分で自分の命を守るために、家族の中でも話をしてもらって、会話の中からいざという時に自分の命を守るという方法が生まれてくると思う。」
ここ沖縄は「地震が少ない」という印象がある中で、去年の震度1以上の地震の回数は全国13位と決して少なくはないんですね。そして2010年2月に沖縄で起きた地震。この時はマグニチュード7.2の地震が起きて、糸満市で震度5弱を観測しました。沖縄でもいざという時に備えておきたいですね。
東日本大震災から10年の節目に行われるオンラインイベント「愛する人を守るために」開催は今週土曜日、6日の午後1時にスタートします。