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来年春卒業予定の学生を対象とした企業説明会がきのう解禁され、就職活動が本格的に始まりました。

コロナ禍でオンラインでの就職活動が当たり前となるなか、仕事を直に体験できるインターンシップを希望する学生たちも少なくありません。そうしたなか、県内のブライダル企業が企画した人気のインターンシップに密着しました。

コロナ禍のインターンシップ 学生が結婚式をプロデュース

新郎・小禄直幸さん「私のお嫁さんになってくれてありがとう。これからも大好きです」

人生の節目のひとつ「結婚」。その晴れ舞台を仕切るのは、大学生や専門学校生です。これは、沖縄ワタベウエディングが実施するインターンシップ・プログラムで、学生が、さまざまな事情でまだ披露宴をあげていないカップルの結婚式を手伝います。

チームリーダー・喜屋武明依さん「至らない点とかもたくさんあったと思うんですけど、いつもふたりの素敵な笑顔に支えられて。」

新郎新婦の笑顔のために、全力を尽くした学生たちに密着しました。

沖縄ワタベウエディングのインターンシップ・プログラム、4か月間かけて、結婚式に関する知識から挙式の進行練習などの研修を経て、実際の挙式や披露宴をサポートします。2回目をむかえた今回は、コロナ禍を逆手にとって 「対面」と「リモート」混合チームで開催! 全国から80人の応募があり、15人が選ばれました。

コロナ禍のインターンシップ 学生が結婚式をプロデュース

「じゃ、さっそく始めていきます。よろしくお願いしまーす」

モニター越しに打合せに参加していたのは、兵庫県の打越さん。

兵庫県の大学生・打越華歩さん「ブライダルのお仕事に興味があり、実際に学生主体で結婚式をあげるというプログラムが本当に珍しいなと感じたので、沖縄という離れた土地ではあるんですけど、参加をしてみたいなと思って今回参加を決めました。」

リモートの参加者も、式当日は沖縄に来て新郎新婦をサポートします。知識だけでなく、会場の動線チェックなど、事前に様々な場面を想定して準備していました。

兵庫県の大学生・打越華歩さん「リモートで参加をしていたのって思われるくらい、本当に対面のメンバーと変わらず、すべての知識を叩き込んで、新郎新婦様の結婚式というものが本当にスムーズに1日無事に終わるように、努めたいなと思っております。」

今回、学生たちがお手伝いをするカップルは、結婚3年目の小禄直幸さん、蘭さんご夫妻。リゾートウエディングで挙式と写真撮影を予定しています。

コロナ禍のインターンシップ 学生が結婚式をプロデュース

チームリーダー・喜屋武明依さん「イメージとしては緑が好きだということなので、こういうのをイメージしているんですけどよろしいですか?」

この日は、式を1週間後に控えた最終打合せでした。打合せの進行役はチームリーダーの喜屋武明依さん。新郎新婦の要望や希望をヒアリングして、漠然としたイメージを形にするお手伝いをします。

新婦・小禄蘭さん「お互い再婚なので結婚式あげる勇気がなかったので、このときにちょうどあげてみようかなと思って応募しました。(学生たちは)すごいかわいくて頑張ってくれていて、なんか私も子どもがいるので、これから未来ある、希望ある学生さんたちに何か一緒に、共感っていうか、一緒に同じ時間を共有できたらなっていうのがすごいあって。」

チームリーダー・喜屋武明依さん「結婚式って、人生に何回も体験できるものではないので。自分たちも悔いの残らないように、そして小禄様ご夫婦にも、ずっと覚えててもらえるような、感動して、プラス家族みんな楽しい結婚式にしたいなと思っています。」

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式当日。午前11時の挙式にむけて、朝7時半から準備がはじまります。リモートで参加していた3人も、沖縄入りしました。会場の飾りつけや、小物類がそろっているかなど、確認することは盛りだくさん!

兵庫県の大学生・打越華歩さん「順調です。まだみんな笑顔があふれているので、もう少し時間がたったら緊張が顔にでてくると思うんですけど、笑顔心がけてがんばります。」

そうしたなか、学生たちが急に、あわただしくなりました。

身だしなみを確かめて、主役のひとり、新婦・蘭さんを迎えます。それから1時間後に、新郎・直幸さんと3人の子どもが到着。式では、子どもたちが参加する演出があるため、緊張させないように、笑顔で接します。

いよいよ挙式の開始時刻となりました。しかし、式場の扉はなかなかひらきません。実は、扉のむこうで、想定外の事態が起きていたんです!

コロナ禍のインターンシップ 学生が結婚式をプロデュース

演出では、新郎新婦入場の前に、小禄家の三兄弟が仲良く指輪を運んで登場する予定でしたが、長男・直剣(なっけん)くんがご機嫌ななめ。次女・真歩(まある)ちゃんも、直幸さんに抱っこをせがみます。1時間前のリハーサルでは、みんな上手にできていたんです。

これでは、式がはじめられません。困っていた学生たちに、式場スタッフが助け舟を出し、急遽、家族みんなで入場することになりました。

今回の挙式は人前式で、ゲスト全員に結婚の証人になってもらうスタイルです。結婚証明書には、新婦・蘭さんのリクエストで子どもたちもサインのお手伝いをすることになっていました。しかし、またしても…。

パパやママと一緒にいたい真歩ちゃん、長女・絆南(はんな)ちゃんが、妹をなだめます。式場に一瞬、静粛な空気が戻ったのを見計らって、司会が、サプライズを切り出しました。

司会「サプライズのお手紙をお読みいただきます。それでは直幸さん、よろしくお願いいたします。」

学生たちが新郎・直幸さんに提案したサプライズの手紙です。

新郎・小禄直幸さん「Dear蘭子、蘭子を思って、最初に浮かんでくる言葉、それはありがとう。」

コロナ禍のインターンシップ 学生が結婚式をプロデュース

結婚して3年になるふたり。これまで、プロポーズの言葉はなく、直幸さんが蘭さんに手紙を書いたのも、今回が初めてです。

新郎・小禄直幸さん「言うことなしの私の自慢のお嫁さんです。今日という日を蘭子と迎えられて本当に幸せいっぱいです。ありがとう。最後に私のお嫁さんになってくれてありがとう。これからも大好きです。」

涙する蘭さんに、アテンドの学生が、すっとティッシュを差し出します。

司会「おふたりは、生涯愛し続けることを約束し、固く結婚の誓いを交わされました。よっておふたりは、ここに、立派なご夫婦であることを宣言します。」

30分間の挙式は、無事、おひらきとなりました。帰り支度を終えた新郎新婦に、もうひとつ、サプライズが待っていました。大切な晴れ舞台を自分たちに託してくれた直幸さんと蘭さんに、学生たちから感謝の気持ちを伝えます。

コロナ禍のインターンシップ 学生が結婚式をプロデュース

学生たち「本日は誠におめでとうございます。今回の結婚式いかがでしたでしょうか?」

兵庫県の大学生・打越華歩さん「楽しかったです。お子様の付き添いをしている時もずっとママパパって言っていて、いい家族なんだなというのが感じて。」

チームリーダー・喜屋武明依さん「至らない点とかもたくさんあったと思うんですけど、いつもふたりのすてきな笑顔に支えられて。おふたりの結婚式をお手伝いしていくなかでいろんな愛を感じて。貴重な経験をありがとうございました。」

4か月間のインターシップが、幕をおろしました。

コロナ禍のインターンシップ 学生が結婚式をプロデュース

沖縄ワタベウエディング人材開発チーム・山城葵さん「インターンシップを通して学生自身が、自信にもなるような経験をして、それをもったうえで、就活だったり、今後入社後の糧になるような体験をしてほしいなという。お客様の一生に一度の結婚式を、自分たちが担当させてもらっているんだという責任感の部分を今回は、実は実感してほしくて。」

責任の重さに真摯にむきあいながら、結婚式を作り上げた学生たち。みせた涙は、達成感や安堵感の入り混じったものでした。

兵庫県の大学生・打越華歩さん「就職活動するなかで、どんな職種の実際の業務だったりっていうのは、けっこうわからないかなって思うんですけど、こういう風に体験することで、私自身も興味が出ましたし、そういう仕事を体験する機会が学生にもあれば、より社会人になるのがワクワクすると思うのでもっといろいろな企業様がやっていく世界が広がればなと思います。」