沼尻キャスター「昨日もお伝えしたしまくとぅば検定、私は7級100点合格したんですよ」
山城キャスター「おめでとうございます!次回は6級ですね!」
沼尻キャスター「きょうはその最難関の6級に挑戦した親子の奮闘記です」
2カ月前に行われたしまくとぅば検定。子どもから大人まで850人を超える受験者が答案用紙とにらめっこをしていました。緊張感漂う会場にちょっと目立つお父さんと、中学1年生の女の子の姿がありました。2人はなんと、親子で合格を目指すしまくとぅば家族だったんです。
しまくとぅば講師養成講座:那覇市 去年11月
子どもたちにしまくとぅばを教えることができる講師を育てるため実施されている「講師養成講座」学校での指導法のほか、琉球文学や民謡、離島の言葉など幅広く学んでいきます。そのなかに、トサカ頭に柄シャツ一見しまくとぅばとは無縁そうな男性が。読谷村出身の知花竜海さん。学生時代からしまくとぅばに興味を持ち、20年以上、独学で学んできました。
知花竜海さん「しっかり学びたいなと思っていたところに、こういう県の取り組みがあるっていうことで」
ミュージシャンとして活動している知花さん。音楽を通して、しまくとぅばの魅力をYouTubeで配信しています。
恩納村去年11月23日:知花家
知花さんは、今回のしまくとぅば検定で最難関の6級に親子で挑戦するというので、試験前、自宅を訪ねてみました。
喜喜さん「こんにちは~」出迎えてくれたのは知花さんの長女、喜喜さん。始めて受験した3年前は9級に合格。その次の年は8級、7級にも受かりました。
一問一答 父知花竜海さんから喜喜さん「ドーナツや ぬーぬ 味ぬ ましやが」「ドーナツは何味がすきですか」「ピンポーン」「レストランぬかい かみむんぬ あん」「レストランに食べ物がある」「正解で~すピンピンポン!」
知花竜海さん「自分的には衝撃なんですよ。なんでこんなに分かるのかなと思って38全く教えたことはないんですよ」喜喜さん「おばあちゃんと一緒に暮らしていたから。」
喜喜さんとしまくとぅばを引き合わせたのはひいおばあちゃん、好子さんでした。去年9月、97歳で亡くなってしまいましたが、たくさんおしゃべりをして、喜喜さんにしまくとぅばのシャワーを浴びせてくれていました。
喜喜さん「(ひいおばあちゃんが)一方的に話してただけだけど、ずっとしゃべり続けているのを聞いてた」「発音もやっぱり紙に書いてある言葉とは全然違うし早口だから」
ひいおばあちゃんのおかげで、知らず知らずのうちにしまくとぅばを理解する力がついていたのです。
知花竜海さん「試験もあんたも受けるか?って聞いたら受けるっていうから」
喜喜さん「しゃべれたらっていうか、しまくとぅば検定とか持っていたらかっこいいし、ちょっと受かる自信あったから」
親子で勉強していると?ん?何かが後ろでモゾモゾしています!
知花竜海さん「あんた、隠れておきなさい!こっち映ってるさ~!」次女・地音さん「だってさ~」
まちかんてぃーしていたのは、次女の地音さん。2階に案内してくれるというのでついて行ってみるとそこにあったのは?
金城キャスター「すごい、スタジオですね」ギターやドラム、CDなどがたくさん!実は、喜喜さんたちきょうだい3人は、ミュージシャンのお父さんと一緒に音楽活動をしているんです。なかでもユニークなのが、「うちなーぐちで歌ってみた」シリーズ。
YouTube動画さんぽ「あっちゅんどーあっちゅんどー」最初は、踊りや伴奏で知花さんの歌を盛り上げていた子どもたち。次第に楽器の腕前も上達し子どもたちだけのバンドを結成するまでになりました。
この日は、あの人気のアニメの曲を披露してくれました!家族5人の知花家。音楽一家でありながらしまくとぅば一家でもありました。
母 恵美子さん「楽しそうな家族だな~と。」親子で一緒に学ぶ知花さん家族。試験の日が楽しみです!
試験当日 浦添市・去年12月
およそ1カ月後の試験当日、浦添市の会場には多くの若者の姿が。知花さん親子もいました!
知花竜海さん「こんにちは~」喜喜さん「できるだけ高得点をとって、お父さんより高い点数を取れるように頑張ります」知花竜海さん「娘に負けないように100点を目指して頑張りたいと思います」
6級は中学2年生レベル。動詞の活用や敬語、長文問題などが出題されます。試験時間は50分、およそ50問を解かなくてはいけないので集中力も問われます。試験開始からおよそ30分後。お父さんが一足先に出てきました。
知花竜海さん「解きがいがある。結構ひっかけも多くて面白かったですね」
喜喜さんは時間ギリギリまで粘っていました。喜喜さん「今までめっちゃ簡単だったのにいきなりムズくなった」
果たして結果は?先週、通知がとどいたというので再び知花さん家族のもとを訪れました。さっそくみんなの前で発表です!
知花竜海さん「じゃん合格!おめでとうございま~す」試験が終わったあとはちょっと弱気だった喜喜さん。合格点の60点を大きく上回る86点でした。
知花竜海さん「お父さんは100点満点で合格していると思うね」「じゃん!あ~~~!」自信満々だったお父さん。聞き取りで1問間違え、結果は97点でした!
知花竜海さん「惜しい。100点いけるかなと思たんですけど」
喜喜さん「もうちょっと勉強して、次は90点台いけるようにしたい」「しゃべれたらすごいかっこいいから」「クラスの中心の人たちはみんな(しまくとぅばを)結構使うから、そんな感じがあるかも」Qしゃべれるようになったら?喜喜さん「マウントとりたい(わはは)」
知花竜海さん「これからの子どもたちの世代に対して、教育とエンターテインメントという部分から、自分にできることをやりたい」「(しまくとぅばを)勉強したい人が増えたらいいなと思います」
お父さんとお姉ちゃんが勉強する姿を見ていたきょうだいたちの反応は?「どんなことしゃべってるのか全然意味わからない。」「だから勉強するわけさ」嘉嘉「まぁ確かに難しそうだからな~(わははは)」
難しそうだけど、わかれば楽しいしまくとぅば。繰り返し言葉にふれていくうちにいつか自然とその魅力を感じる日がやってくるはずです。
みんな「しまくとぅば まじゅん びんちょーさびら!(一緒に勉強しましょう)」