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新型コロナで波乱の一年に立ち向かった高校生アスリートの葛藤と成長をお伝えします。年明けの風物詩。野球部対抗陸上競技大会でスタートした県内高校スポーツ。さまざまな競技で全国を目指す若きアスリートたちの姿が。

しかしコロナ禍は容赦なく高校生にも影響を及ぼしました。3月に予定されていた全国選抜大会は全24競技が中止に。

嘉手納高 ボクシング部 岸本有彩選手「早く試合がしたい」

夏に向け切り替えを図る中・・

4月に高校スポーツの祭典、インターハイ5月には夏の甲子園と続いて中止が決まりました。

2020年を振り返る コロナ×スポーツPART2

沖縄工業 野球部 知名淳監督「(甲子園)中止が決まったということで正直そこを目指してきてきょうがあるけど気持ちを切り替えてとかきょうは言い辛いね」

沖縄工業 野球部 國吉涼介前主将「高校3年間もきついことばかりででもその時に甲子園という言葉でチーム全体が一つになって闘う気持ちができたりがあったが甲子園がもしなくなったとしても県大会を開催するのであれば優勝目指して頑張りたいと思っている」

全国大会は無くなっても高校生の晴れ舞台を。新型コロナ対策を講じての県大会開催が準備されました。県高野連・高体連ともに県内大会の開催を発表。喜びの声が上がった一方・・

首里 なぎなた部 宮城昭奈前主将「今までと違うので、自分たちもどうしていいかわからない」

団体試合でインターハイ2年連続日本一に輝いていた首里高校なぎなた部の3年生。県総体まで競技を続ける、受験勉強のため引退する選手に分かれました。葛藤の中にあった高校生たち。それでも前に進もうとする思いを支える姿がありました。

2020年を振り返る コロナ×スポーツPART2

首里 なぎなた部 栄野川里美監督「(部員は)気持ちの整理がつかないと言っていたが実際(練習が)始まってみると楽しくて。精一杯この子たちのためにしっかり尽くして頑張っていきたいと思った」

浦添商業 比嘉和泉PTA会長「努力してきた自分を信じ一緒に努力してきた仲間を信じ笑顔で最後まで頑張って下さい。私たちも最後まで応援します」

野球の県独自大会は63校、59チームが出場。甲子園のない異例の夏。その中球児たちは沖縄一を目指し全力を尽くしました。この夏の頂きにたどり着いたのは・・八重山高校でした。

八重山 下地寛太郎 前主将「いざ優勝してみると(甲子園に)行きたかったなって気持ちは大きくて。でも部員全員でコロナのおかげで成長した部分もあるので全員やってこられたというのは良い思い出」

秋以降は全国につながる大会が開催されていきました。年末年始、そして春へと2年生、1年生の新チームが躍動を見せています。また進路が決まり新たなステージへ挑戦を始める姿もあります。

最後の夏をコロナに奪われた3年生。それでも全力を尽くした夏を終えて今、何を思うのでしょうか?

夏の高校野球県独自大会シード校として登場した沖縄工業高校。

2020年を振り返る コロナ×スポーツPART2

沖縄工業 國吉涼介前主将「コロナの影響で野球ができなくてその時に本気で野球をやりたいやつともう引退したいというやつで意見が割れて正直もうどうしたらいいのか分からなかった。甲子園に出るという気持ちを忘れないでやってほしい。3年生26人とこの2年間半甲子園という場所を目指して頑張ってやってこられたことに感謝している」

その國吉君、今は・・・

作業服に身をつつんで卒業制作に当たっています。クラスメイトとつくっているのは無線通信のカウントボード。

沖縄工業 國吉涼介前主将「幼稚園から12年間野球を今までやってきてそこで(高校で)引退した時に何か野球に恩返ししたいなと思って・・」

希望していた県内企業へすでに就職内定。来月予定されている近くの少年野球チームと中学校へのカウントボード贈呈に向けて完成を急いでいます。

國吉前主将「やばい!2つ目だけ(アウトのランプが)つかない」

ランプがつかない原因を確かめ修正の繰り返し。来月のボード贈呈に備えます。

國吉前主将「どんな壁からも逃げないことで立ち向かっていくことでこの壁を乗り越えた先にはいつかこの壁が自分を守ってくれる糧になると学んだ」

県総体 なぎなた首里高校3年生8人はこの日まで競技を続けた部員大学受験のため先に引退した部員と半々に別れました。

しかし大会当日は全員が集合。試合に臨む選手を引退した同級生が全力で応援。首里高校は団体試合で見事県総体5連覇達成。

2020年を振り返る コロナ×スポーツPART2

宮城昭奈主将「4月から部活も普通にできなくて不安もいっぱいだったけど最後は団体で優勝できて本当に良かった。ありがとうございました」

涙の優勝から5カ月。すでに進路が決まった3年生たちは役員として年内最後の大会に参加していました。

パティシエ目指し専門学校へ 玉那覇愛佳さん「今回初めて役員として大会に携わってこんなに役員が裏で動いていることのありがたさなどを改めて知ることができた」

県内大学に合格 与那嶺優さん「引退して久しぶりになぎなたの活動にも参加することができた後輩の成長も見られていい機会になった」

首里の新チームは11月の県新人大会で試合の団体と個人、演技競技で優勝来年3月の全国選抜への出場権を得ています。

大城志歩主将「先輩のありがたさを自分がまとめる側になって毎日毎日感謝があふれてきます!」

前キャプテン宮城さんは進学が決まり前副キャプテンの又吉さんは第一志望の大学に向け勉強中です。

宮城昭奈さん「学年上の首里高校の先輩も居て、なぎなたも強いので鹿屋(体育大学)にした。まだちゃんとは決まっていないが体育の先生か警察官を目指している」

又吉李咲さん「将来の夢は看護師になること。共通テストまであと1カ月というところなので前よりも気合を入れて頑張っている」

宮城昭奈さん「(春の)全国選抜があってすぐまた(夏の)インターハイがやってくる」

又吉李咲さん「チームで、チーム首里高で相談し合いながらがんばって乗り越えて欲しい」

コロナでの逆境を糧にと奮闘した3年生たち。間もなく巣立ちの時を迎えます。