※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

県内企業の新たな挑戦をお届けする経済コーナー「Qビズ」です。「テレワーク」や「リモート会議」など、コロナ禍で見直しが進む働き方、旅行先で仕事をするということが“新たなビジネスモデル”、そして“沖縄観光の新しいスタイル”になるかもしれません。

伊波アナ「今回、南城市に来ています。実は今、休暇と仕事を兼ねたある取り組みが注目されています」

Qビズ「仕事」×「休暇」新しい働き方

南城市にある「ユインチホテル南城」。こちらのホテルでは6階にあったレストランを今年7月にテレワークができるラウンジに改装しました。

ユインチホテル南城砂川支配人・砂川卓郎さん「去った5月6月には私どもも臨時休館をいたしまして、その間にユインチホテル南城として今後どういうホテルとして運営していこうか、社員全員で話し合いをしました。テレワーク施設を活用して、心と体の健康を我々がサポートしていくということで作った経緯があります」

観光地やリゾート地で休暇を兼ねてテレワークする働き方は「ワーク」と「バケーション」という言葉を合わせて「ワーケーション」と言われています。

「ワーケーション」は元々働き方改革や地方創生の取り組みとして注目されていましたが、コロナ禍で落ち込んだ観光地の経済対策とテレワークの推進が一度に解消できるとして、政府一押しの政策となっています。

Qビズ「仕事」×「休暇」新しい働き方

実際、ユインチホテル南城では国の事業を活用し、沖縄セルラー電話とコンソーシアム(企業連合)を設立して施設を整備。テレワークに必要なインフラの強化を図りました。

砂川支配人「(Q:施設をつくる上で工夫した点)まずはロケーションを活かそうと店舗づくりに工夫をいたしました。6階のテレワーク施設単独のwifiの設備を整えることで、仕事のスピード、セキュリティの確保に取り組んだ」

ラウンジの利用者は・・・

Qビズ「仕事」×「休暇」新しい働き方

利用者「癒されますね。息抜きしたいときに外を見てリラックス、リフレッシュになります」

またこちらのホテルでは温泉やアクティビティも充実していて、親が仕事をしている間、家族は施設内で楽しめるようになっています。

ホテルによるとテレワーク施設も利用できるプランは販売開始から好評で、最も売れ筋となっているようです。

沖縄で「ワーケーション」事業を推進する沖縄総合事務局では新型コロナの感染拡大後、関心のあるホテルや事業者から問い合わせが増えたといいます。

沖縄総合事務局 経済産業本部長・本道和樹さん「やはりコロナの影響でこういったテレワークとかワーケーションに対する注目が高まっていますので、私どもの事業に対する申請もより広がった形で出てきています。観光業、あるいは特にホテルでは宿泊者が減ってきていますので、いかに有効に施設を回していくかが大事になってきます。こういったテレワークとかワーケーションというマーケットに注目が集まっているんじゃないか」

また「ワーケーション」は今の沖縄観光が抱える課題を解決する有効な取り組みとして期待されています。

Qビズ「仕事」×「休暇」新しい働き方

新型コロナの影響で観光客が大幅に減少し、2019年度の観光収入が8年ぶりに前年度を下回りました。コロナ禍で観光客が減少している今、観光収入を増加させるには、これまで以上に消費単価を向上させなければいけません。

本道さん「実際に平成30年度に私どもが実施したモニター事業の際には、1人当たりの消費額が平均的な県内の観光客の消費額に比べますとだいたい4万5千円ぐらい増加をしたという結果になっています。従ってそうした経済的な効果が見込めるということが挙げられると思います」

ウィズコロナ時代を見据え、沖縄観光は「量」から「質」への転換が求められています。「ワーケーション」は新しい沖縄観光のカタチとなるかもしれません。

Qビズ「仕事」×「休暇」新しい働き方

改めて新型コロナの影響を受けた今年度上半期の入域観光客数を見ていきます。前の年度に比べて437万5500人率にしますと81.8%マイナスで減少数、減少率ともに過去最大となっています。

これまで沖縄県の観光収入が増加していた背景には、消費単価が低くても多くの観光客を受け入れてきたことで維持できていました。しかし、今後以前のように観光客が戻るのは時間がかかるとみられ、観光収入を増やすためには一人当たりの消費単価の向上が求められます。

「ワーケーション」を推進する上で見えてきた課題もあります。

非常に注目が高まっているだけに地域間の競争というのはだんだん激しくなっていく。いかに沖縄の魅力を発信していくかというのが大きな課題です。

さらに企業側の意識改革。テレワークが可能になるような社内規則やルールの整備というものも課題になってくる。雇用主側の意識改革、あるいは社内の規定の整備、こういったものも課題になってきます。

Qビズ「仕事」×「休暇」新しい働き方