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買い物弱者を助け毎日の生活を支援する移動スーパーとくし丸が沖縄でも運行を始めました。徳島でスタートし全国展開しているものでこれまで沖縄だけが「とくし丸」の空白地となっていました。悩みや要望に応えながら地域を支えるコンセルジュとしての期待がかかっています。

10月28日、自宅の前で商品を販売する移動スーパーとくし丸がここ沖縄で稼働しました。移動スーパーとくし丸は、買い物弱者を手助けするため2012年徳島県で始まり全国各地で運航しています。

地域のコンセルジュを目指して

県内の大手スーパー・リウボウの協力を得て沖縄でも始まり、47都道府県全てで展開したことになります。

リウボウストア糸数剛一社長は「今までリウボウに来ていただいて、年齢を重ねて中々行けなくなった、買い物したいという方にそちらまで出掛けさせて頂きます」

とくし丸の1号車に乗るのは、新田仁子さん。おばあちゃん子だった新田さん今を築いてくれた高齢者に感謝する思いから応募しました。

新田仁子さんは「昨日までは不安もあったんですけど、きょうは開き直っているのか、楽しみでいっぱいになっています」

出発式のおよそ3時間前、新田さんらスタッフは商品の詰め込みに追われてました。

リウボウのスタッフ「リンゴ・ミカンじゃない。違う?」「下にミカン一列ですね・・全部入らないですよ」「

記者「コンビニ・スーパーにあるものすべて入っている?」

リウボウのスタッフ「そうです本当に移動スーパーですね」

地域のコンセルジュを目指して

とくし丸には食品や総菜など400品目1200点の商品が積まれてます。沖縄で目指すものは。

リウボウストア営業本部の花岡康司本部長「(徳島で)商売の原点を見たというか、物が売れて喜んでいただける我々も収益が上がるっていうような、本当に商売のスタートの原点の大切な所を地道にされてるんだなというのがあって、会社として事業として判断してやっていこうと」

こうして迎えた、とくし丸稼働日初日新田さんの表情にもやや緊張が果たしてお客さんはどんな表情で迎えてくれるのでしょうか。

出発式のおよそ2か月前新田さんやスタッフらは移動スーパーとくし丸が運航する地域の需要調査を行っていました。

リウボウストアスーパーマーケット運営部宮城秀和課長「買い物弱者、買い物難民と呼ばれる方を救済するのが根底にあります。家族構成、買い物頻度、買い物手段っていうところをしっかりヒヤリングすることで買い物に困られている方を見つける」

聞き取り調査はおよそ5000軒にも及びました。

リウボウストアスーパーマーケット運営部宮城秀和課長「例えばタクシーで買い物をしていると往復2千円以上かかっていると、実際これは買い物に困られている認識なんですけど、客は全然苦になっていないというか気づいていらっしゃらない方ですとか」

需要調査の結果、坂道がきつい、身内や知人へ買い物をお願いするのを遠慮してしまうのが高齢者にとって悩みでした。調査によって120軒の顧客を確保することができました。また1日に40件程度、曜日別に3ルートを回りながら商品を販売していきます。

地域のコンセルジュを目指して

リウボウストアスーパーマーケット運営部宮城秀和課長「とくし丸に関しては1軒1軒、自宅の前までお伺いします。お客様に対面販売、一対一の接客というのが出来ます。日を重ねるごとに、お客様のプロのスタッフコンセルジュという所を目指す」

買い物客「いっぱい入ってる」「おにぎりもあるよ、いいんじゃない(スーパーと)変わらない」

トラックいっぱいに並べられた商品に釘付けの買い物客。初めての移動スーパーに興味津々

買い物客「アップルパイはないんですか」

新田さん「パンはあちらにあるんですけどきょうはアップルパイはないかな」

新田さん「客が今度あれ持ってきて、これ持ってきて言ってくれるので、それを何品かもって行って、これですかと言う感じで提供していこうと思っているので、どんどん客からもどういう好みなのかを聞きながら客のとくし丸になっていければいいなと考えています」

買い物客「車持っていないので主人の機嫌伺ながら、買い物連れてってくれないっていうの言わなくて済むから。これから年も取っていくし、地域の皆さんも助かると思いますよ」

販売先は狭い道も軽トラックなら楽々と進んでいきます。

買い物客「ここね買い物難民なんですよ。いちいちスーパー行かないとタクシーで、でなければ孫とか息子とかが来ない限り行けないんですよ。だからこういう風に来たら助かります」

リウボウストアスーパーマーケット運営部宮城秀和課長は「いろんな所でお客さんが周りの方を呼んでもらって、(集客)人数的にも多くなっているので。反応はいいと思ってます」

初日の販売は終了。

地域のコンセルジュを目指して

新田さん「ほっとしたのとお客さんとコミュニケーションというか、来てくれて嬉しそうな顔をしてくれてたのがすごく嬉しくて」

Q:きょうの評価は何点?

新田さん「えーと、50点ですかね。お客さまの顔をちゃんと見れなかった所ですかね。(客の)体調だとか他のことも、本当にお客様というよりは生涯付き合っていくお友達という感覚で、この先もずっとお付き合いして頂けたらなと思います」

とくし丸がスタートしてからおよそ3週間。新田さんは一人で商品の詰め込みに追われてました。

新田さんは「少しずつけれどもお客さんの顔を見れるようになって、要望とか客の好みが少しずつ分かってくるようになったのでやっぱりコミュニケーション取りながらやっていくことは大切な事だと思いました」

販売を楽しめるようになったと話す新田さん。とくし丸を中心に出会いの輪が広がればいいと話します。

新田さんは「とくし丸が一つのツールみたいにとくし丸が皆さんをコミュニケーション取れる機会に慣れてるのかなと思うとすごく嬉しく思っています。寝ても覚めてもとくし丸で頭がいっぱいで一人ひとりのお客様の顔を思い出している時に地域のお客様を大切にするのは、そういう思い出すことから始まるのかなと思って。一人ひとりの顔を思い浮かべて考えるってことが私にとってはスタートなのかなって思っているので、地域に密着していけるとくし丸であれば良いなっていうのは凄く感じています」

商品だけでなく笑顔も届けるとくし丸地域の拠りどころとして今日も走ります。