今週は首里城関連の特集をお送りしていますが、きょうは、火災の後すぐに再建のための募金活動をはじめた高校生たち。その行動の先に彼らが描いた未来とは。
知念幸都さん「いろんな人の気持ちがこもったお金で首里城を再建することによってその先の首里城の未来に使ってほしいと思っています」
玉城知事「うやうやーと広げると言うんですよね」お預かりいたします、ありがとうございます
誇らしげな表情で、首里城再建のための寄付金170万円あまりを県に託したのは、「首里城を愛する高校生たち」。
外間愛夏さん「全員(学校)違うんです那覇国際高校です、首里東高校です、首里高校です、浦添高校です。この2人が中学校が一緒で、こっちがもともと仲良くて・・・」
発起人は外間愛夏さん。「首里城のために何かしたい」という思いに、外間さんと同じ首里中学校出身の知念さんがすぐに共感し、募金活動のインスタグラムのアカウントを開設。与那嶺さんと城間さんも加わりました。
学校も、出会ったいきさつも違う彼らが行動を起こしたのは、火災からわずか2日後のこと。
外間愛夏さん「やばいやばいと言っているだけじゃなくて何か行動しないといけないと思い始めました」
以来、学校が休みの土日はほとんど毎週、街頭に立つようになり、SNSでその様子を発信すると、同じ高校生から「参加したい」と活動の輪が広がっていきました。
外間愛夏さん「結構うれしいです、おんなじこと考えている人がいるんだって」
活動開始から2か月が経とうとしていたこの日も、初めての参加者がやってきました。
外間愛夏さん「浦添高校2年の外間愛夏です、那覇国際2年の・・・・「あははは」
その日集まった仲間と、身近なもので作ったお手製のボードで道行く人に呼びかけます。
女性「がんばってよ」
小学生たち「首里城・・・」「首里城募金!?」「じゃあ全部入れる!」
香港からの観光客「香港でも彼らのニュースを見ました。彼らが再建のために募金活動しているのを見てすごく感動したしぜひ(再建を)かなえてほしいと思いました」
時には、こんなことも。(男性が飲み物の差し入れ)
そして気づけば、活動に参加する高校生も20人ほどになっていました。
参加者「実は首里城って行ったことがなくて後悔していて、自分が進路が決まって内地にいることになったので、少しでも(沖縄に)いるうちに沖縄のことに貢献しておきたいって思って」
およそ3時間の活動を終えたみんなは、あるところに向かいます。やってきたのはなんと川のほとり。ここで、その日の反省点や、新たな企画を話し合うというのです。
「ただたんに募金してますじゃなくて見返りとしてアウトプットしますよっていうのを作らないと差別化がない」「高校生ができる、高校生らしい何かをやらないと」
首里城再建のため、次から次へと湧き出るアイデアを形にしようと取り組んでいましたが、今年新型コロナが流行したことで9か月間活動できない日々が続き、大学受験を控えた高校生たちは先月、多くの人に託された思いを知事に届け、活動を締めくくることにしました。
玉城知事「首里城を復元することと含めて街づくり、未来づくりを次の皆さんにしっかり手渡していけるようにやらなきゃいけないなと思っている」
知念幸都さん「改めて首里城がどういう意味を持っているのか考える機会が増え自分たちがウチナーンチュであることに意味があるんじゃないかと思ったので将来沖縄のために何かしたいなと思うようになりました」
城間魁生さん「自分は結構首里城が好きだったので首里城のために何かできたらいいなという思いから始めた活動ではあったんですが、最終的にはいろんな方々に感謝される形、自分が想像していた結果とは違いましたし、今後も首里城について自分なりに調べてそれを発信できるような人になっていきたいと思っています」
与那嶺翔さん「1人でやることには限界があると思うんですが、それが複数人チームになったらできないことなんて何もないと思うんですよね。これから沖縄を変えていく担い手として頑張っていきたい」
外間愛夏さん「来てくださったおばあちゃんが”私が生きている間には再建されないと思うけどあなたたちが未来を背負っているから頑張って沖縄の未来を作っていって”と言葉をかけてくださったのでそれが印象に残っています。(進学先で)沖縄のことについて学んで将来いかしていきたいと思っています」
本格的な活動はおよそ2か月間でしたが、首里城が気づかせてくれたふるさとを愛する気持ちを胸に、それぞれの道に進んでいきます。