プロ野球ドラフト会議も気になるところですがきょうは野球に夢中な女子選手たちの話題です。男子選手に比べてプレーする環境が限られてしまっている女子選手たちの受け皿になろうと新たな野球部が誕生します。
24日、南部商業高校に集まったのは野球少年ならぬ、野球少女たち。来年4月、南部商業高校では県内初となる女子硬式野球部の創部が決まっていてそれを前に、24日体験会が開かれました。
参加したのは紺のユニホームの中学3年生8人。野球経験者ではありますが硬式球に触れるのは初めてという選手がほとんど。それでも硬いボールにも恐れず、思い切りのいいプレーを見せていました。
女子野球部創設の発起人は南部商業の校長であり、県高野連の副会長でもある仲山久美子さん。
仲山校長「女子野球の人口は沖縄はもちろん全国的にも増加傾向にあるというのを2年前に知る機会がありました。その中で女子野球の生徒が小学校から中学校に上がるまた中学校から高校に上がる段階で減っていっているということがあったので」
全日本女子野球連盟によりますと女子硬式野球の競技人口は年々増加傾向にあります。その一方で、中学校以降では、女子選手が集まってプレーできる環境がまだまだ少ないという課題があります。
実際に県内でもたとえ試合には出られなくても高校で野球を続けたいと男子の中でプレーする女子選手たちが多くいて、仲山さんもその姿を見てきました。
仲山校長「男子の中で1人でやるという状況。そこだけを見てもこの子たちの意思の強さであったり野球に対する思いの強さ、野球が好きで続けているんだろうなと思うとこんなに野球が盛んな沖縄ですので、県内に1つでも受け皿があったらいいのではないかなとおもったところです」
沖縄で初の女子硬式野球部の誕生。それに先立ち、先日南部商業を訪れた全日本女子野球連盟の濱本副会長も期待の言葉を口にしました。
女子野球連盟 濱本光治副会長「北は北海道2校、まだ九州は神村学園はあるんですけど沖縄にはないということで、沖縄にできた時に北は北海道、南は沖縄と言えるんじゃないでしょうか。高校(の部活)が沖縄にできたらそれに伴って下の中学にもいろいろ女子野球の波及効果が出るんじゃないかと考えています」
そして歓迎の声は県内からも。体験会の手伝いをしていたのが青のユニホーム、今年で結成10年となる女子硬式野球クラブチーム「沖縄ティーダバル」の選手たち。
チーム内には、高校では野球ができる環境がなかったという選手が多くいるといいます。
沖縄ティーダバル 安次嶺康一代表「ほとんどの子が”中学生だったら南部商業に来て野球部入りたかった”って子も多いですし”今からでも高校やり直せますか”っていう子もいるので(女子)硬式は年代関係なく大会も含めて(対戦が)たくさんあるので、大会でも対戦しますし、そういった意味ではお互いいいライバルになればなと思っています」
体験会に参加した中学生たちは野球だけでなく高校生のトレーニングの厳しさも味わいましたがきつさの中にも楽しさを感じているようでした。
まずは受験という壁に立ち向かうことになりますがその先には、県内初の女子高校野球が待っています。
仲山校長「少年野球で頑張っている女生徒たちの憧れになったりすることと女子野球の生徒たちが新しく始めたり継続したりすることができるそういった環境づくり、そういったことも継続して取り組んでいきたいと思っています」