ウィズコロナの時代というこの難局をどうやって乗り切っていくのか様々な模索が続けられています。新型コロナの影響で仕事が減少している結婚式場とアーティストが手を組み、新たな取り組みをはじめていました。
1か月前から沖縄市にある結婚式場NBCではじまったのは、披露宴ではなく、朗読を中心としたリーディング劇。withコロナを意識した舞台です。週替わりで、様々なジャンルのアーティストが登場し、パフォーマンスを披露します。これは、新型コロナの影響でイベントの中止や延期が相次ぎ、表現の場を失ったアーティストやパフォーマーと結婚式などが中止となった式場の両方に活気を取り戻すため始まった新たな取り組みです。
企画したのは、NBCの新屋さん。新型コロナの影響で、今年4月以降、会場はほぼ稼働していない状態だといいます。
NBC新屋均専務「アーティストたちにもう一度活気を取り戻してほしいというのと、お客様も演劇とかを見て、コロナに負けないように元気を取り戻してほしいというのが一番の願いです」
会場となるのは、換気システムを新調した400人収容の大ホール。NBCは、ホールを無償で提供、アーティストは、チケット売上のうち人件費・雑費として1割を支払います。公演のプロデュースを担当している普天間さんは、披露宴会場ならではの広い空間が、コロナ禍のイベント開催に向いていると感じています。
普天間伊織さん「50%以下のキャパシティーを守るとすると小さいところだと10人とか20人とかしかお客さんが入れられなかったりして、金銭的にもかなり厳しい状況だってわかるので、ここのNBCのホールだったら、半分にしても200人ですし、お客さんは安心して見に来ていただけるんじゃないかと思っています。」
式場で働くスタッフも今回のステージに期待を寄せていました。ぎこちなく台本をめくる二人。普段は結婚披露宴の進行管理や新郎新婦のエスコート係をしています。
NBCスタッフ「先が見えなかった中で、少し光が見えてみんな仕事しているのも、イキイキしています」
普天間伊織さん「なるべく余裕をとって、お待ちいただけたらと思います。よろしくお願いしまーす」
今月4日、これまでで最多の観客数、上限いっぱいの150人が訪れました。きょうのステージは、現代版組踊「肝高の阿麻和利」と「龍神伝説」によるコラボステージです。出演は、うるま市の中高生が中心。今年の春頃から舞台に立っていません。
出演者・子ども「ストレスがたまりまくって大変でした。一番好きなことなので、踊ることが」
龍の舞に、ダンス、琉球舞踊を織り交ぜた迫力のステージ。今回、特別に構成された演目です。ようやく、練習の成果をお客さんの前で披露することができました。
出演者の保護者「今年卒業する年を迎えている子もいて、本番がないからかわいそうだなって思っていたところ、結婚式場の人がやってくれて本当に良かったです」
阿麻和利役「全然、公演とか練習もできなくて、このまま終わるのかなって、ちょっとマイナスなところもあって、そんなときにこうやって、いろんな大人の皆さんや団体とかそういう人たちのおかげで、今回、本当に楽しくおえることができました。本当にありがとうございました。」
普天間伊織さん「いやー、きょう、よかったですよね。」「コロナだから仕方なくっていうふうに最初は思っていたんですけど、これからの時代、やっぱり、いろんな常識を変えて、アップデートしてってというか、ちがう業種というか、今まで重なりあわなかった人たちが、一緒に力をあわせてやっていくのがすごく大事だなと感じました」
週末の舞台公演をはじめて、1か月。NBCでは、これまでの舞台運営を参考に、コロナの感染予防策を徹底した新しい披露宴パックの提案をはじめていました。
新型コロナで苦境にたたされた式場とアーティストが作り上げるステージ。異業種が手を取り、支えあうことで新たな価値が生まれようとしています。
NBCでのコラボステージは、来月23日までで、演劇や高校生のダンス部の発表会など様々なジャンルの公演が予定されています。