「沖縄に根差したお笑い」を追求し続け今年で旗揚げから27年となる、演芸集団FEC。そんな笑いのプロも今年は新型コロナの影響で舞台での活動ができなくなっています。自分たちの活動の場を守るためと新たな取り組みが始動していました。
「mede in ウチナー」をコンセプトに沖縄のお笑いを追い求め続ける、演芸集団FEC。テレビやラジオなどあらゆる方面で活躍をしていますが彼らの主な活動の場は舞台です。「お笑い米軍基地」をはじめ、様々な舞台で笑いを届けてきたFECも今月で旗揚げから27年を迎えますがそんなFECにも新型コロナが影を落としていました。
山城智二社長「3月ぐらいから仕事がどんどん無くなっていって、4月以降はほとんどゼロのような状況があって、舞台活動もまったくできないという形だったので、今までにないような年になった」
県内での感染拡大以降、7月に1度公演を開催できたのみで舞台での活動はほとんどできていません。
山城智二社長「舞台で芸や技を磨いて、外に出ていくというような流れがあったので、それでいうと自分たちのホームグラウンドである舞台活動ができないというのが一番苦しいですよね」
ホームグラウンドでの活動ができなくなったコロナ禍の現在。活動がままならない状況を打開しようと新たな取り組みが動き出していました。
山城智二社長「この空間が専用のスタジオになってまして」
公演やネタを撮影する専用のスタジオをつくって動画の配信をしようというのです。舞台だけではなく、ネットの世界にも活動の場を求めたのでした。
山城智二社長「今の時代は映像でいろいろ表現できる時代になっているので、自分たちの自前のスタジオをもってやれば、もっともっと自分たちの好きなことややりたいことができるので、だとすればそういった場を作ろうと」
演芸集団の団長を務めるお笑いコンビ「ハンサム」の仲座健太さんも舞台に立てない状況に苦しさを感じていました。
仲座健太さん「いろんな外でのお仕事がなくても舞台さえあれば芸人として自分が自分たる所以があったが、その根本の舞台ができないといわれて、じゃあなにもできなかったら、おれなんかなんなんだろうという状態にはなった」
そんな中新たな取り組みとして行う動画配信は県外の人も気軽に活動を見ることができるようになったと手ごたえを感じています。ただ、お客さんがいない状態で芸を披露することに改めて実感する部分もあったと話します。
仲座健太さん「いくら練習してネタ合わせしても一回まず本番、お客さんを入れてネタやることでしか見えてこない部分もあるなととても感じている」
山城智二社長「舞台の場合、生のお客さんとの空気間を共有しながら笑いを作っていくということだと思うので、それがないというのはまったく表現方法は違ってくるなと感じている」
表現の場ができた一方で、客の反応を直に見ることができないため演者と客の一体感を出すことがこれからの課題だといいます。
全体ミーティング「きょう1日よろしくお願いいたします!」この日稽古場では旗揚げ27周年公演に向けたリハーサルが行われていました。今年の旗揚げ記念公演は観客の数を制限しての公演に加え、この専用スタジオを使って、なんと27時間生配信に挑戦します。出演はもちろん、カメラなどの機材のセッティング、さらには撮影まで自分たちで行います。手探りの状態で準備が進められていきますが慣れない作業の連続です。
「ガクガクは気になる」「じゃあ三脚でやる?」「三脚でやりましょう」映像の手ブレをなくそうとカメラを三脚に設置することになりましたが、「3人がかりで、恥ずかしい…」「27時間できんだろ。カメラも(三脚に)はめられない。」
試行錯誤を重ねながらも自分たちの活動の場を守るため新たな取り組みを始めたFEC。表現の方法は変わっても、演芸集団としての役割は変えることなく今後もお笑いを提供していきたいと前を向きます。
山城智二社長「僕らはいつ何時どんな状況でも沖縄、うちなーんちゅの皆さんを元気にしていく役割とか装置に少しでもなれたらなと思うので、相変わらずおバカなことをやりながらウチナーを盛り上げていきたい。みんなで一緒にこの困難な時期を乗り越えていけたらなと思う」
FECは17日と18日の2日間(17日17:00より27時間)、旗揚げ27周年の公演を行います。両日ともてんぶすホールでの公演を行うほか、その公演の様子も含め、配信スタジオを使っての27時間生配信を行います。配信の視聴は無料とのことなので、ぜひご覧ください。
27時間ずっとライブ配信!【沖縄お笑い】「演芸集団FEC旗揚げ27周年記念公演」