菅政権の発足からおよそ1カ月。基地負担軽減担当大臣を兼務する加藤勝信官房長官が週末に、就任後初めて沖縄を訪れました。朝早く、自衛隊機に乗り込んで、県内のアメリカ軍基地を視察した加藤官房長官。
加藤官房長官「宜野湾市のまさに真ん中に、そして高台にこの普天間基地があるということを実感した。そういった意味でも一日も早く普天間飛行場の全面返還を実現するという考えには変わりはなく、そのためにも辺野古移設に向けた工事、これを着実に進める必要があると思っている」
国が推し進める辺野古移設。加藤官房長官は工事が進む地元の区長や名護市長らと意見を交わしました。
渡具知武豊名護市長「(キャンプシュワブ)から派生する諸問題の解決については、これまでも何度となく、要請をしている」「特に久辺三区の振興については、特段のご配慮をお願いしたいというようなことを申し上げた」
名護市長らの要請に対し、「しっかり取り組んでいく」と答えたという加藤官房長官。
次に向かったのは、普天間基地を抱える宜野湾市でした。
加藤官房長官「一日も早い全面返還の実現に向けて全力で取り組ませていただきたいところでございます。」
宜野湾市長「昨年、(普天間基地)返還に12年と期限を示していただきました。それは評価をいたしますが、やはり、どうしても長いなぁというのが本音であります」
宜野湾市長は、2030年代にずれ込むことになっている普天間基地の返還について、「時間がかかりすぎる」ち注文をつけました。
宜野湾市長「まぁ、私としても、(辺野古移設)工事も進んでいます。辺野古移設やむを得なしと容認せざるを得ないと」
最後に、玉城知事と会談に臨んだ加藤官房長官。
玉城知事「県民の理解が得られない辺野古移設計画は断念をし、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去をするよう、早期に普天間飛行場負担軽減推進会議をはじめとした、沖縄県との協議の場を設けていただくよう強く要望いたします」
加藤官房長官「普天間飛行場の危険性をどう除去していくのか、こうしたことを考えたとき、唯一の解決策は辺野古移設、というふうに私共は考えさせていただいている」
安倍政権を引き継いだ菅政権。やはり、辺野古問題に対する姿勢に変わりはありませんでした。辺野古をめぐって対立が続く県と国。互いに従来の主張を繰り返し、平行線をたどりました。
加藤官房長官「今後とも基地負担軽減については、出来ることはすべて行う、目に見える形で実現をする、というこれまで、菅総理が担当大臣のときに表明をされてきたその姿勢をしっかり堅持して、そうした思いで取り組んでいきたいと思っております」
玉城知事「今回は、加藤官房長官がこの沖縄の現状をしっかり視察をしていただいて、肌感覚をもってこれからの沖縄の基地の負担軽減に取り組んでいくと、そういうスタートラインに立ったのではないかと思います」
基地負担の軽減とともに、沖縄の振興を図るという姿勢を強調した加藤官房長官の初来沖でした。