本土との距離や経済格差、文化の違いなど、独自の背景がある沖縄で、”もっと女性たちの可能性を高めてほしい” そんな思いであるイベントを始めた女性たちを取材しました。
「高いシングル率」「非正規雇用の多さ」「長男信仰」「沖縄の女性は、”生きにくさ”を抱えていませんか?」
街録「自分が我慢して家族・親族をまわしていると思う」「長男の嫁じゃないところに嫁いでと子どもたちには思いました」「母子家庭でもあるのでもう少し生活面で稼ぎやすくなってきたらいいなと思います」
本土との経済格差や文化の違いなど、独自の背景がある沖縄で偏見や固定観念にとらわれず若いうちから様々な生き方に触れてほしいと、先日、あるイベントが開かれました。
真栄田若菜さん「私は私。女性はこうあるべきという固定観念に縛られないでほしい自分が何者か、何が好きかを考えて自分らしいキャリアを歩んでほしい」
イベントの仕掛人は、こちらの2人。那覇市出身で、OISTでエグゼクティブアシスタントや県の基地対策課の通訳などを務め、現在はフリーランスの翻訳者として活動する真栄田若菜さん。国際人権法の専門家で、2015年、当時の翁長知事が国連でスピーチした際にはコーディネートも務めた阿部藹さん。
そんな2人が7月に立ち上げたのが、「IAm(アイアム)」。進路選択を控えた女子学生を対象に、ワークショップやトークイベントを通じて多様なキャリアの価値観を伝えます。
稲嶺真理菜さん「(大学時代)全然勉強してなかったんです。でも勉強してなくても卒業できるのが見えちゃって、それを卒業した後に何を強味と言えるんだろうと思って、だったら英語で何かできたほうがいいかなと思った」
この日のゲストは、2度のアメリカ留学を経験し、様々な職を経て、現在コワーキングスペースのマネージャーを務める稲嶺真理菜さん。常に自分らしいキャリアを模索する先輩の話に参加者たちは聞き入ります。
稲嶺真理菜さん「進むことはやめないでください、でも違和感はそのままにしないほうがいいと思います。何に違和感を感じているか見ながらそこで止まっちゃいけなくて何かをやってみることが大事だと思います」
県が去年、30代から40代の男女に行った、女性活躍推進に関する調査によると、男女とも7割以上が「女性は結婚・出産後も仕事を続けたほうがいい」と答えている一方、「女性は家庭もあるので、管理職などの責任ある仕事に向かない」と答えている人は、女性で3割、男性では4割を超えています。
仕掛人の2人が目指すのは、女性のエンパワーメント、女性が自ら意思決定して、キャリアを築いていける世界です。
阿部藹さん「(沖縄は)物理的に県外に出ることが難しいと思います。そうなるとチャンスが限られて県の中でキャリアを作ってスキルをあげなきゃいけない、となるとチャンスが少ないと思うんですね、そこはすごくもったいないと思います」
真栄田若菜さん「沖縄にあるいろんなジェンダーバイアスや男の人を信仰したりという生きにくさがあって知らず知らずの間に女性のキャリアが狭まってしまっているし、自分でも狭めている現実があると思っていた。そうではなくて自分で好きなキャリアを描いていいんだよということを伝えたい」
参加者「結婚とか、決まった価値観にとらわれない人の話を聞けて勇気をもらえた」参加者「これから男性だけでなく女性も活躍できる社会になっていくのもうれしいし、それを作るのも自分たちだと思ったので活躍できるように頑張ろうと思いました」
「私は私。ガールズだって、大志を抱け」IAmは沖縄の女性たちにエールを送ります。