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県内企業の新たな挑戦をお伝えする経済コーナー「Qビズ」です!今回は世界的にも注目されている『再生医療』についてです!沖縄を再生医療の拠点にしようと取り組む大学発のベンチャー企業を紹介します!

伊波アナウンサー「琉球大学のキャンパス、懐かしいな~あれ?こんな建物あったっけ?」

この中では全国でも先進的なある取り組みが行われていました!その技術を使って生まれたのが・・・「化粧品!?」

Qビズ 沖縄を再生医療の拠点へ 琉大教授がベンチャー企業

琉球大学医学部のキャンパス内に建つ真っ白な建物「再生医療研究センター」沖縄を再生医療の研究開発の拠点にするため県とロート製薬の支援により5年前に整備されました。

20年後には1兆円を超える市場といわれる「再生医療産業」アジアに近い地理的優位性を生かし再生医療の関連企業を集積しようと産学官で産業化を推進しています。

最近よく耳にする「再生医療」、一体どんなものなのでしょうか?

琉球大学で再生医療の研究に携わる清水教授に話を聞きました。

Qビズ 沖縄を再生医療の拠点へ 琉大教授がベンチャー企業

琉球大学大学院清水雄介教授「失われた体の一部や機能を取り戻すためにヒトの細胞、体にある細胞を使って治すというものが再生医療の取り組みなんです。10年以上前から捨てている脂肪の中に再生医療のキーとなるいろんな細胞に変わる幹となる細胞『幹細胞』というものが含まれていることがわかりました。それを再生医療研究にしよう」

つまり鍵となるのは、「脂肪」なんです!

人の脂肪組織の中には(間葉系)幹細胞という細胞が存在しています。

この(間葉系)幹細胞は、骨や血管、神経など他の細胞に変わる力(分化能)があるため再生医療の世界では最も人に応用しやすい細胞と言われています。

「再生医療研究センター」では患者から取り出した脂肪組織から(間葉系)幹細胞を抽出して数十万に培養して患者の体に戻します。

Qビズ 沖縄を再生医療の拠点へ 琉大教授がベンチャー企業

実際に清水先生は4年前、がんを切除しへこんでしまった患者の頬を形成するため本人から採った幹細胞を培養して移植する手術を国内で初めて成功したと発表しました。

そんな再生医療の技術に新しいビジネスの可能性を感じた清水教授

そこで3年前、琉球大学で第1号となるベンチャー企業「グランセル」を立ち上げました。

海外では医者や研究者が起業する流れはよくあるそうですが日本ではまだ多くないといいます。

清水教授「しっかり自由に機動的に使える資金を調達する必要が大きな研究をしていく上で必要だろうと考えてベンチャー企業を設立して」

伊波アナウンサー「再生医療を活用したグランセルのコスメがここ、デパートリウボウの外商コーナーで取り扱いされています」

「グランセル」が開発した「コスメアカデミア」

先ほど説明した(間葉系)幹細胞を培養するための液、培養の作業が終わった後、廃棄されていたのですがその中に若々しい肌を保つ効果が期待できる成分が含まれる事がわかり、化粧品に活用しました。

現在、デパートリウボウの外商コーナーやインターネットでの販売のみで値段も一般の化粧品に比べ高価ですが30代~60代の幅広い客層から支持を得ているといいます。(2019年の年間売上7000万円)

清水教授とともに再生医療の研究に携わる奥田もえり代表は・・・

Qビズ 沖縄を再生医療の拠点へ 琉大教授がベンチャー企業

グランセル奥田さん「特徴としては琉球大学のしっかりとした設備の中で培養されており他社の製品とは違って手術室から製品になるまで一貫した管理。再生医療を身近に感じて頂けるスキンケアという製品で再生医療を感じて頂きたい」」

およそ2兆円と言われる化粧品市場、大きなマーケットに参入することで会社の成長も期待できるといいます。

また、もうひとつ再生医療の活用が期待できることが・・・

清水教授「8月から大阪大学でコロナで重症の肺炎になってしまった患者さんに対して、他人由来の脂肪組織由来幹細胞のお薬を投与する治験、研究を開始するという発表がなされています」

新型コロナによって肺に炎症が起きている患者に幹細胞の薬を投与することで炎症を抑える可能性があると考えられています。

医療分野や美容分野そして新型コロナの治療にも注目を集める再生医療の技術。沖縄を再生医療の拠点へ県経済を支える柱として大きな期待がかかります。本県の経済を支える産業のひとつとなることを期待している。

以上、Qビズのコーナーでした。