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脈々と受け継がれてきた技術を後世に伝えます。沖縄の伝統的な船「サバニ」の造船作業が奥武島ではじまりました。作業場に運びこまれてきたのは、6メートルを越す杉材。宮崎県日南市からもってきたものです。
これから、伝統的な漁業用サバニの建造作業がはじまります。お米と塩、酒を供え、作業の安全を願います。
おばあさん「命があるわけ、この材料には。終わりまで無事にきれいな船をつくらせてください」
サバニは、明治時代に糸満市で考案され、県内各地に広がりました。船の形は、漁を行う場所や漁の方法によっても異なります。
奥武島の場合、潮の流れが穏やかな海域で使用することが多いため、ほかの地域と比べ、小型で、水中に沈む部分が浅く、船のへりの部分の反りが少ないのが特徴です。
しかし現在、サバニの伝統的な造船技術を継承しているのは、県内に2人のみだといいます。そのひとり、県内最高齢のサバニ造船技術者・嶺井藤一さん90歳。
嶺井藤一さん「ハーリー船は200隻あまり作ったよ。ひとりで」
今回のサバニづくりは、藤一さんの技術を若手技術者に継承しようと、沖縄美ら島財団が企画したもので、孫の嶺井尚人さんが、漁業用のサバニ造りに初挑戦!
尚人さんは、祖父のもとで20年ほど前から造船技術を学んできました。初日の9月28日は、材木に線をひく「墨入れ」です。祖父の指導を受けながら、慎重に線をひいていきます。
嶺井尚人さん「ちゃんとした設計図はないですね。おじいちゃんの頭の中に入っている。おじいちゃんが生きている間に作って飾れたらいいなと思って」
サバニの完成は、3か月後の予定です。