中村キャスター:取材にあたった石橋記者です。辺野古の「設計変更」、改めて注目すべき点はどういったところになりますか?
石橋記者:「軟弱地盤の地盤改良工事」と「土砂の調達先」です。軟弱地盤を固めるには巨大な作業船が必要なんですが、大浦湾は最も深いところでは水深90mまで軟弱地盤が続いていて、今ある技術では対応できないという課題があります。国は水深70m以下は水の圧力がかかって固いので、地盤改良は必要ないとしていますが、専門家からは地盤改良せずに埋め立てを進めるための口実に過ぎないという批判も出てきています。
中村キャスター:そして、埋め立てに使われる土砂も、県内各地から採取される可能性が出てきましたね。
石橋記者:そうですね、南部地区を中心に県内全域で国は土砂をまかなおうとしています。一方、県外からの調達は九州地方に限定しているんです。
中村キャスター:県内では対象地域を広げて、県外では対象地域を狭くしたわけですね。
石橋記者:県外から持ってくる土砂の量を減らすことで、特定外来生物を持ち込ませないために定められた「土砂条例」を回避して、県外から土砂を搬入する規制から逃れようとしている、という狙いが透けて見えてきます。
中村キャスター:様々な問題が浮かび上がってきました。果たして工事を続けることは可能なのでしょうか?
石橋記者:辺野古では、今回の問題だけでなく、今の計画では、耐震性が弱く大型の護岸が小さな地震で崩れ落ちるかもしれないという危険性があることもわかっています。埋め立て予定海域周辺には活断層の存在も指摘されていて、見過ごせない問題の1つです。
石橋記者:辺野古の問題をひとつひとつ見ていくと、なぜあの場所に基地を造ろうとしているのか?という疑問しか出てきません。専門家が指摘する工事の問題点などについて、国はきちんと答える必要があるように思います。