台風10号が近づいている南大東島では被害を最小限に食い止めようと対策が急ピッチで進められていました。
「台風10号が接近している南大東島です。現在は晴れていますが、海はご覧のように波が高くなっていてすでに荒れた状態になっています。」
きょう午前の南大東島。高い波が何度も岸壁に打ち付け激しい白波を立てていました。
昼を過ぎると波はさらに高く激しくなりうねりをあげていました。特別警報級の勢力で南大東島に近づく恐れがある「台風10号」台風に備え、港では漁船が陸にあげられ、ロープで頑丈に固定されるなど、すでに台風への備えが進られていました。
住民も建物のドアを補強するなど対策も急ピッチ…。さらに島の防災無線では。
午後2時前「これまで経験したことがないような台風の接近に備えて、入念な台風対策を早急に実施してください」島の住民に防災無線で厳重な警戒を呼びかけていました。
沖縄気象台・志堅原 透(しけんばる とおる)予報課長「特別警報級の勢力で6日未明から明け方にかけて大東島地方にかなり接近する見込み。大東島地方では記録的な暴風となる見込み。日昼前から6日夕方にかけて長時間に渡り暴風が続く見込み」
台風10号は今後も勢力を増しながら大東島地方に接近することが見込まれています。過去に何度も台風の被害を受けていた大東島地方…。7年前にはノロノロと動く台風が島の真上で停滞するなど40時間以上暴風域に巻き込まれました。
さらにその翌年… 2週続けて大型の台風に見舞われるなどこの年は台風が多数襲来しました。
本島地方でも台風への警戒が高まっています。
玉城知事(対策会議の冒頭あいさつ)「4日夜から6日にかけては、大東島地方、本当地方での猛烈なしけ、警報級の大雨・高潮のおそれがあります。」「『命を守る行動』を最優先に行動してください」
あすの朝から強い風が吹き始め、あさってには暴風になる見込みです。さらに、海は大しけが予想され、高潮にも警戒が必要です。
特定非営利活動法人日本防災士会沖縄県支部 新垣すみえ事務局長「(時速)288キロだったかな新幹線くらいの速さの風が吹く、人が歩くと足がすくわれると思います。だから絶対外にも出ないこと」「おうちの倒壊も想定できるのでそういうのも対策を講じないといけないのかなと思います」
防災士の新垣(あらかき)すみえさんは風が強まる前に対策を済ませてほしいといいます。本島地方は先月31日から今月1日にかけて台風9号の暴風域に巻き込まれ各地に爪痕が残りました。
台風9号による被害額はおよそ2億3640万円。サトウキビの被害が最も大きく2億1100万円、次いで、漁港にある護岸設備の被害が1200万円となっています。立て続けにやってくる台風に慣れることなく緊張の糸を保ち続けてなければいけません。
特定非営利活動法人日本防災士会沖縄県支部 新垣すみえ事務局長「今、だんだん勢力を増してきているのが見えてきている。軽く見ないで」「今一度確認して、未然に防ぐための対応をそれぞれでやっていただきたいと思う」
主な生活物資などは定期的に運航されるフェリーで運ばれる大東島地方。しかし、台風10号の影響できのう那覇を出航予定のフェリーが欠航するなど、暮らしへの影響が懸念されています。島の人からは不安の声が…
地元住民(台風対策してる男性)「台風が一気に3個とか来ると2週間、3週間船が入らないので食べ物の確保とか結構大変ですね」
生活への長期的な影響が懸念される中、琉球エアーコミューターは生活物資などの輸送に備えるため臨時便が運航されましたが、あす以降は飛行機の運航にも影響が出そうです。
これまでにない強さとも言われる台風10号に南大東島では警戒が高まっています。
「南大東島はあす暴風域に入る見込みで、これまでにない台風の接近に地元住民は不安な一夜を過ごすことになりそうです」