広島から支援に来た・大江玲さん「何よりも暑いというのが一番でした。防護服を着ての活動は今までもあったし、その時も暑かったが、これが8月で沖縄ということもあって、汗をかく量がこれまでとレベルが違った。」
新型コロナ感染が急激に感染拡大したことによるひっ迫した医療現場の崩壊を防ごうと、県が国などに支援を求めたことで、県内外から多くの医療スタッフが駆けつけてくれました。その中で、県内での活動を終えたばかりの看護師に話を聞くことができました。
大江さん「最初はもどかしい思いもたくさんあったが、後半は現場のスタッフの方とも連携が取れてきたし、連携の大切さを学んだ。」
2週間にわたる支援活動を振り返るのは、広島から沖縄に応援看護師として派遣された大江玲さんです。
世界的医療支援団体「ジャパンハート」の看護師として、発展途上国を中心に各地に赴き、医療を届ける活動に従事しています。今回、沖縄には、ジャパンハートから6人が派遣され、本島南部の病院で先月17日から2週間支援活動にあたりました。
苦しそうにせき込む患者の処置など看護にあたる大江さん。密閉した防護服を着た状態で動き続けると、蒸し風呂のように体が熱くなり、厳しい環境での医療支援が続きました。
大江さん「(支援に)入ろうと思ったきっかけが『困っている人の助けになりたい』ということだったので『助かった、ありがとうございます』と言ってもらえたのがうれしくて、入ってよかったなと思いました。」
大江さんたちの活動に敬意を示し、病院から感謝状が贈られました。
大江さん「(Q.病院スタッフや患者からの言葉は?)スタッフからは日々『大変ななか来てくれてありがとうございます』と、強くいってもらった。」
大江さんや地元病院の医療スタッフの頑張りで、最初の支援から徐々に落ち着いていったという病院では、思い出に残る場面もあったといいます。
大江さん「シャワー介助の時に患者さんがすごく気持ちよさそうな顔をしていたのと、普段は認知症の影響で怒りっぽい方が『気持ちよかったですか?』と聞くと『うん』と首を縦に振って、それに関しては『やっと清潔ケアまで手が回る状態まで落ち着いた』と実感できましたし、患者さんのうれしそうな顔を見られたのがすごくうれしかったです。」
沖縄での14日間では観光などはできず、帰る直前に「海が見たかった」というものの、台風で断念しました。今後は、再び海外の医療支援に行くと話す大江さん。そのエネルギーの源泉は家族でした。
大江さん「人に求められるのはうれしいので、人の助けになることはしていきたいのと、夫も海外ボランティアが好きで、近くでそうしている仲間がいると思うと、夫に恥じないように頑張りたいと思うので、原動力は家族が大きい。」
そんな大江さんが感じた、今、医療の現場で求めらている支援とは何なのでしょうか。
大江さん「コロナは感染対策が重要になってくることと、すべてのスタッフへの周知徹底をするような教育や、まずは起こさない努力が必要。(感染が)起きてしまうと人手が足りなくなるのが、外部支援が入ってきやすくなるような環境づくりがすごく大切になると思いました。」
大江さんは、今後も見据えた、外部からの支援の受け入れ態勢の必要性を訴えていました。