アメリカ軍施設での新型コロナの感染が拡大しています。15日も新たにキャンプハンセンで36人の感染が確認されました。
アメリカ軍内での感染が止まらない中、玉城知事は15日上京し、詳細な情報提供をアメリカ側に求めるよう国に対し要請しました。
県によりますと15日、キャンプハンセンで新たに36人が新型コロナへの感染が確認されたことがわかりました。これでキャンプハンセンでの感染者は58人、県内のアメリカ軍施設での感染者は136人となりました。
アメリカ軍施設での感染拡大を受け玉城知事は15日上京し、防衛省など政府に対し要請を行いました。政府に対する要請では、アメリカ本国からの沖縄への異動の中止や、感染者の基地外における行動歴などの詳細かつ迅速な情報提供などをアメリカ軍に実施させることを求めています。
玉城知事「7月11日に普天間飛行場とキャンプハンセンで合わせて60人以上が新型コロナに感染したという情報が県内を走り、県民は大きな不安に追い込まれているのが今の現状です。」
河野防衛大臣は県民に不安を抱かせていることになっているとして陳謝したうえで今後県と連携していく考えを示しました。
河野防衛大臣「基地が原因で感染症が拡大することがないように、きちんと安心していただけるような対応をとっていかなければいけないと思っているので、そこは一緒にしっかりやらせていただきたい。」
要請後、玉城知事は国に対しアメリカ側へしっかりとした対応をしてほしいと述べました。
玉城知事「日本国の防衛大臣として国民を守る立場から、そして基地を受け入れている都道府県、市町村の立場もしっかりくみ取っていただいて、米側に言うべきことはしっかり言っていただきたい。」
玉那覇淑子北谷町議「世界中が今、新型コロナウイルスの脅威に立ち向かい、生命を守る努力をしているときに基地外の沖縄県民の生活圏内に侵入するということは決して許されるものではありません。」
一方、アメリカ軍が軍人やその家族などの隔離施設として、北谷町の民間ホテルを借り上げたことに抗議する25の市民団体が、15日、会見を開きました。
市民団体からは、アメリカ軍の隔離を基地内で行い、軍人やその家族の基地外での行動を制限することや、アメリカ軍関係者の感染者数や行動履歴など正確な情報の開示を国や駐日アメリカ大使に求めていくということです。
基地に隣接する市町村では、基地内で働く保護者の子どもが学校を欠席するケースが相次いでいることがわかりました。
キャンプ・ハンセンがある金武町では、子どもの登校を控えるようアメリカ軍の指示が出たことや、自主的な判断によって基地内で働く保護者が子どもの欠席を申し出ていて、金武町教育委員会によりますと、15日だけで23人の児童生徒が欠席しています。
このほか、うるま市や宜野湾市、北中城村でも同様のケースがあるということです。県教育委員会は15日、幼稚園から高校、特別支援学校に対し、保護者が濃厚接触者の場合でも子どもは登校可能だと改めて通知しました。