山城アナウンサー「楽園の海。案内は、水中カメラマンの長田勇さんです。よろしくお願いします。今回のテーマは「やんばるの海でサンゴの一斉産卵」です」
長田さん「前回の放送、覚えていますか?」
山城アナウンサー「もちろん!!色々なサンゴが暮らしているやんばるの海でしたよね」
長田さん「はい。そのサンゴの一斉産卵の様子ご覧いただきたいと思うんですけど私もやんばるの海で産卵撮るの初めてだったんですよ」
山城アナウンサー「長田さんも初の撮影!!それでは、早速見てみましょう!!
長田さん「明るいうちに、ポイントへ向かいます。いつもお世話になっているSea Lifeの森さんは、サンゴの産卵を一度も見たことが無いというので、調査がてら一緒に潜りに行きました.海も穏やかで最高の夕日を拝むことが出来ました」
山城アナウンサー「きれい♪」
長田さん「すぐにサンゴチェックのためエントリー。サンゴの種類によって、卵を出す時間はまちまち。早い時間に産卵するサンゴ、アクロポーラ・ドネイを見てみると・・・ポリプ(サンゴの先)のところまで、ピンク色の卵が上がってきているのわかりますか?」
山城アナウンサー「丸い物があるのがわかります」
長田さん「この状態だと今日産むっていう合図なんです。そして辺りも暗くなった午後7時40分。産卵開始です」
山城アナウンサー「浮遊しているのが卵ですよね!」
長田さん「はい。時間とともに、どんどん出てくる量が増える卵」
山城アナウンサー「幻想的で綺麗ですね~」
長田さん「このサンゴの卵は、比較的大きく、色も濃い目のピンクなので夜の海に映えますね。そして午後8時25分。コイボミドリイシも産卵開始しました」
山城アナウンサー「こちらの卵は、ピンク色と言うよりは、濃いオレンジ色ですよね。
長田さん「そうですね。サンゴの種類によって、色も形も大きさも違います。サンゴの先端のポリプから出る瞬間です。このシーン、撮り始めてから卵出るまで、8分かかりました」
山城アナウンサー「そんなに!!!」
長田さん「ヤスリミドリイシが産卵開始しました。Sea Lifeの森さんにとっては、この日が初めて見るサンゴの産卵。このサンゴは、午後11時過ぎまで、沢山の卵を放出していました」
山城アナウンサー「この映像、3Dみたいですごい体感がありますね」
長田さん「でもこれ、一斉産卵ではないんです」
山城アナウンサー「えっ!!」
長田さん「ここからは、前日6月11日の一斉産卵の様子です」
山城アナウンサー「こちらもすごい光景ですね!!」
長田さん「実はこの日、Sea Lifeの森さんは見ることが出来なかったのんです。テーブルサンゴもアップで見ると、沢山の枝で出来上がっているのが分かります。卵が出る瞬間も撮影」
山城アナウンサー「貴重な瞬間」
長田さん「バンドルと呼ばれるカプセルの中に、精子と卵子が入っていて、同じ時間に産まれた同じ種類の別サンゴと受精します。流れもあったので、横殴り状態で卵がカメラへ向かってきます」
山城アナウンサー「すごい数!!どこまでも進んでも卵がありますね~」
長田さん「はい。この日は、フリーダイバーの篠宮龍三さんと一緒に潜ったんですが、なぜか、無数の星の中を進む宇宙船を撮影している気分になりました」
山城アナウンサー「たしかに、海の中とは思えないです」
長田さん「今回は、卵が出る瞬間を撮影するカメラと、サンゴ全体用のカメラ、2台体制で撮影しています」
山城アナウンサー「長田さん。水中でゆっくりサンゴの産卵って見られるんですか?」
長田さん「ほとんどないですね~。撮れた映像は、とっても神秘的ですが、私一人だけ慌ただしく、水中でてんやわんやしています」
山城アナウンサー「(笑)やっぱり裏ではそうなんですね~」
長田さん「この日は、撮影してからおよそ40分間、様々なサンゴの産卵に立ち会うことが出来ました」
山城アナウンサー「こんなにたくさんのサンゴが産卵すると辺り一面が卵だらけなので迫力ある映像でしたね。長田さん「そうですね~。2日間、壮大な産卵シーン撮影出来たんですが唯一の心残りは、Sea Lifeの森さん、一番いいシーン一緒に見ることが出来なかったんです」
山城アナウンサー「次回は一緒に見られるといいですね」
長田さん「来年の目標にします」
山城アナウンサー「今回も貴重な映像ありがとうございました。以上、楽園の海でした」