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中村キャスター:さて、連日暑い日が続いています。7月8月は県内では最も暑い季節を迎えたわけですが、ことしの夏は、これまでの夏の暑さ対策とは違う課題もあるようです。

金城キャスター:こちらご覧ください。「県内熱中症搬送213件。前年比2倍。マスクでリスク増」という今月4日付け沖縄タイムスの1面記事です。黒島さん。この記事、現在新型コロナ対策として、普段、身に着けることが普通になったマスクが、熱中症のリスクをあげてしまう可能性があるという記事ですね。

夏のマスクで熱中症のリスク増!?

黒島さん:はい。これは総務省消防庁のまとめで分かったもので、6月1~28日の約1カ月間に、熱中症のため県内で救急搬送された人が速報値で213人に上り、前の年の同じ時期(103人)より2倍以上増えたことが分かったというものです。

中村キャスター:夏のマスク。街の人はどう考えているのか?話を聞きました。

女性「やっぱり熱中症になりやすいのかなと。蒸れて、車乗ったときはすぐに外したりとかしています。」

男性「長時間着けていると結構きつくなっていくので、定期的に外さないときつい部分はありますね。」

男性「ただやっぱ今コロナ落ち着いたとは言えないので、対策とといってもマスクどうしても着けないといけないところあるので、これとした(熱中症)対策としては、水分補給よく取るくらいではありますね。」

金城キャスター:街の人の反応も、夏のマスクについては、特に抵抗感を持っている人も多いようですね。

夏のマスクで熱中症のリスク増!?

黒島さん:先ほどの調べで分かった熱中症で搬送された年齢区分では、65歳以上の「高齢者」が97人(45.5%)で最も多く、18歳以上65歳未満の「成人」が91人(42.7%)で続いています。

黒島さん:発生場所ですが、「住居」が85人(39.9%)で最多。次いで工事現場や田畑などの「仕事場」が34人(16.0%)でした。エアコンや扇風機のない室内で過ごす高齢者や、暑い外での作業などで、体調を崩すケースがうかがえます。

中村キャスター:この内訳は例年と差はありませんよね。

黒島さん:そうですね。沖縄気象台によると、沖縄地方は平年より早い6月12日の梅雨明け後から、例年より高い気温が続き、湿度も高い傾向だとして、一般的に、汗が蒸発しないと体温調節が難しくなり、熱が体内にたまりやすくなって熱中症リスクが高まるということです。

金城キャスター:これも、例年と差はないと思いますが、今年はここに新型コロナの感染予防のためにマスクを着用することが一般的になりましたから、これが、熱中症患者の発生に影響を与える可能性がある。というのが記事でしたね。

黒島さん:はい。記事では、医師教育に取り組む群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春医師の話として、患者が増えた要因について「高温多湿もあるが、新型コロナの影響はあるだろう」というコメントを紹介しています。

夏のマスクで熱中症のリスク増!?

中村キャスター:そして、こちらは厚生労働省のホームページにある「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントの中で「マスクの着用について」。基本的には着用をお願いするとしながらもただ、マスクを着用した場合、通常と比較すると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、高温や多湿といった環境下でのマスク着用は熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。

中村キャスター:また、マスクを着用する場合には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。そして、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要だと呼びかけています。

黒島さん:このような「ガイドライン」の情報を理解して、熱中症予防にこころがけたいですね。

金城キャスター:さらに、気になったのは同じく4日付けの23面にあった記事です。それによると、新型コロナウイルスに対応する業務増に伴い、県地域保健課は今年、県内の熱中症発生状況を〝調査していない〟というものでした。

黒島さん:はい。この調査は熱中症の警戒を促す目安にするなど、予防対策に生かされていたわけですから、県民に対して、熱中症の注意喚起がおろそかになる可能性も出てきたわけで、新型コロナ対策で業務が謀殺され、熱中症まで手が回らないという状況にあるこ現実がそこにあります。

中村キャスター:新型コロナと熱中症。2つの予防対策に備えるという「体験したことのない初めての夏」が始まっています。

夏のマスクで熱中症のリスク増!?