いよいよあす開幕を迎える県高校野球夏季大会。出場校を紹介してきためざせ甲子園もきょうが最終回です。10校目のきょうは沖縄尚学。県内外・国外から甲子園を目指して集まってきた選手たち。叶わなかったその思いを、この夏に全力でぶつけます。
去年の夏の覇者・沖縄尚学。“2年連続の甲子園”その言葉を県内で唯一口にすることができたチームもその夢を失いました。それでも。
沖縄尚学・比嘉公也監督「絶対そこで負けると思う、お前らのエラーで」
グラウンドにはこれまでと変わらない緊張感が。監督の言葉に選手たちも気持ちを強くしています。
比嘉公也監督「沖縄尚学で何としても甲子園に行きたいという強い思いを持って入ってきたと思うんですけれども、甲子園がなくなっても開催される沖縄大会は何としても全員で優勝を狙っていこうということは話をしています」
大湾朝日選手「あとたとえ甲子園がなくなったとしても、今まで自分たちがやってきたことっていうのは絶対になくならない」
島袋皓平選手「甲子園がなくなったからと言ってまだ高校野球は終わってないので(甲子園中止の)悔しい気持ちを絶対優勝して終わらせてやろうっていう気持ちです」
この夏、最後まで全力を貫こうと決意する選手たち。そのうちの1人・永山蒼君。去年の夏、2年生ながら甲子園のマウンドへと上がり力投を見せましたが延長戦で勝ち越しを許しチームも敗退。その悔しさがこの1年の原動力となっていました。
永山蒼選手「去年の夏の甲子園で負けてからずっと自分の反省点として、今までずっと練習してきて、今まで1年間やってきた課題の克服を見せる場っていうのが甲子園、甲子園で見せたいなと思っていたんですけど、この県大会に懸けるしかないと思うので、この大会を全て出し切っていけるようにします」
そして去年の夏、同じく甲子園の舞台に立ったのが崔哲イ君
崔哲瑋選手「子どもの頃から憧れていた場所だったのでタイムリーを打った時とかも会場がすごく盛り上がってすごかったです」
彼もまた、高校最後の夏への思いを強めていました。台湾のテレビで見た甲子園に憧れて沖縄へとやってきた崔君。
崔哲瑋選手「日本に来るのはお金がかかるので迷っていたんですけど、親も自分がどうしても沖縄尚学に行きたいと言ったので行かせてもらいました」
最初は日本語がわからずつらい思いもしましたがこの2年半で野球ノートも少しずつ書けるようになりました。
崔哲瑋選手「あとチームメートとか先輩や先生とか教えてくれたり、優しく教えてくれたりしたおかげでもうだんだん慣れてきて日本語も成長させてもらいました」
周りに支えられながら一歩ずつ歩んできて迎えた高校最後の夏。そこで待っていたのは、甲子園中止という現実でした。
崔哲瑋選手「(発表の)その時はこういう状況なのでしょうがないなと思ったんですけど、夜1人になった時はこの2年半やってきて最後の夏では甲子園へ行くチャンスがなかったってことを考えて悔しいというか、つらい気持ちが溢れてきたというか」
沖縄に来て集大成の夏に消えてしまった夢舞台。そんな崔君に、両親から言葉が。
崔哲瑋選手「親も自分が甲子園がなくなってモチベーションがなくなることを心配していたので、甲子園がなくてもこれからも頑張れよ、甲子園が無くなっても大丈夫だよという言葉をかけてくれたので」
そして何より、沖縄尚学で出会った仲間たちの存在が崔君の最後の夏への思いを強くしていました。
崔哲瑋選手「たまに自分の日本語をばかにするんですけど(話してくれたり日本語を教えてくれたりしてるので)この仲間と出会えてよかったと思います。最後の夏は甲子園はなくなったんですけどこれは高校生活最後の野球ができる舞台なので、今まで一緒にやってきた仲間26人全員出て優勝したいなと思っています」
たとえ夢の舞台はなくなっても仲間とともに甲子園を目指した日々はなくならない。甲子園への強い思いはあすから始まる夏にぶつける!「自分史上 最高の夏に」!
與谷友希主将「3年生26人で野球ができるのが本当に最後になるので、あと一戦一戦勝ち上がって決勝名護で戦えるように頑張っていきたいです」
集合 優勝するぞ!