宮古勢初の甲子園出場を願う島の期待を背負い、春はベスト4入りの活躍を見せた宮古。夢の舞台が消えても前を向く選手たちには、力強い応援団がいました。
1年生7人が入部し、35人の部員で夏に向かう宮古。春の躍進がチームの自信につながっています。
5年ぶりの決勝進出を見据え、北山を大差で下した春季大会準々決勝。宮古勢初の甲子園出場に向けて、地元の夢が膨らむ快進撃を見せました。
垣花祐太朗選手「だんだん自分たちのレベルが上がってきた中、春優勝が見えた中でのコロナだった。自分たちの代でどうしても甲子園に行くという目標はあった。」
勝利への手応えを感じながらも掴むことができなかった春の頂点。やり切ることができなかったからこそ、夏に懸けるチームの思いは次第に強くなっていきました。
笠原秀太主将「春の大会でベスト4に入ったチームの中で、チーム打撃が一番良かったので、そこは自信を持っていた。」
誰よりも強い思いで試合に臨んでいたのがキャプテンの笠原くん。そこにはいつも背中を追いかけてきた兄の存在がありました。
5年前、春季大会初の決勝進出を果たし、準優勝の成績を残した宮古。中軸を任され、活躍したのが兄の崚央さんでした。
その活躍を幼い頃から見てきた笠原くんにとって、兄に追いつくことが「野球を続ける原動力」でもありました。
笠原秀太主将「お兄ちゃんの影響で野球を始めて、春の大会とかも見てきたので、お兄ちゃんを超えるために宮古高校に入って、春ベスト4までいって、やっとお兄ちゃんにたどり着くことができるのかなと思っていた。そこでなくなってしまったので悔しかった」
春の悔しさを抱えながらも夢の舞台を信じていた中で届いた「甲子園中止」の知らせ。
気持ちの整理をつけられずにいた笠原くんの元に届いたのは、離れて暮らす崚央さんからの励ましの言葉でした。
兄・笠原崚央さん「一緒に2年半やってきた仲間がこれから一生の宝物になると思うから、弟にはキャプテンなんだから、いつまでも落ち込んでないで、前を向いて最後まで引っ張っていってほしいという気持ちで送った。いろんな人たちに感謝しながら、最後なので、今までやってきたことを全力で出して最後は優勝してほしい。」
島にとっての悲願「甲子園出場」。選手たちにとって心強い存在なのが、チームを応援してくれるOBです。
島の応援団は、たとえ夢の舞台がなくなっても最後まで応援し続けることを決めています。
宮古島甲子園プロジェクト・平良勝之さん「春の大会で強いチームになってベスト4に上がったので期待を膨らませて。夏はなんとかと思いを込めて応援して期待もしてきた。宮古島民らしくアララガマ魂で負けてたまるかと一生懸命頑張って、頂点を目指してもらいたい。」
笠原秀太主将「応援してもらって、たくさんの人に期待されているなって気づくことができたので、期待に応えられるように優勝してもっと宮古島を盛り上げられるようにしていきたい。」
くじけそうな時に支えてくれた島の人々や家族の思い。悔しさを乗り越えた宮古ナインが春に果たせなかった頂点を目指す!
垣花祐太朗選手「甲子園はなくなっても、自分の大好きな野球ができることはうれしいことなので、感謝の気持ちを持ってプレーしたい。」
根間彪河(ひゅうが)選手「最後の試合なので、一戦一戦楽しみつつも勝ちにいって、最後は優勝で終われる形で試合をやっていきたい。」
笠原秀太主将「一生懸命野球して、結果を出して宮古島に戻ってくれば宮古島の人たちも喜んでくれると思うし、雰囲気も上げることができると思うので自分たちがしっかり一生懸命頑張ってやっていきたい。」
「優勝するぞ!」