新型コロナの影響は、様々な形で私たちのこれまでの生活を一変させました。私たちの健康に直接かかわる人間ドックや集団検診でも、新たな対応が取られていました。
各市町村や職場、学校などで定期的に実施されている健康診断。病気の危険因子があるか否かを見つける大切なものですが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月下旬から5月に予定されていた健診事業はほとんど延期!今月上旬からようやく再開し、健診をおこなう医療機関は対応に追われています。
南風原町の沖縄県健康づくり財団。人間ドックや県内各地を巡回する集団健診をおこなっています。
沖縄県健康づくり財団総務課・城間薫課長「スケジュールの調整が大変」
企業が従業員に年1回、健康診断を受けさせることは、労働安全衛生法で定められた義務という点からも、今年は中止、というわけにはいきません。限られた日程で、「密」な状態を避けながら多くの人に集団健診を受けてもらうという難題が待っていました。
西原町の住民健診会場を訪ねました。休日開催にも関わらず、会場にはだいぶ余裕があるように見えます。
受診した男性「人のスペースがとってもよくて、結構いいと思う。去年まではいっぱいで大変だったから。」
受診した女性「ゆったりとして回れるので、今年みたいなのがいいかなと思います。」
西原町では、時間予約制にし、これまで1時間に25人対応していたところを、10人に制限しました。
西原町福祉部健康支援課・嘉手苅佑也さん「どういった対策をしているのかとか、行って大丈夫なのか、どういう風に開催するのか、お問い合わせの声はいただいておりました。事前に医療機関と調整しながら、対策については、ひとつひとつして、当日迎えた形。沢山の方に受けていただいて、どんどん広報したりやりたいんですけど、やはり現状、多くの方を受け入れることができないので、本当に必要な方がしっかり予約を逃さずに受けていただいて。」
会場では、新型コロナ感染防止のためさまざまな対策が取られていました。対策のひとつが、受付を2段階にしたこと。
受付「体温チェックしますねー。」
会場に入る前に、体調の確認をおこないます。また、事前に感染防止のための文書を郵送し、受診する側の協力を呼びかけました。
そして「密」が避けられない内診のブースでは、ひとり診察を終えるごとに、医師が手指消毒はもちろんのこと、聴診器もアルコール消毒。胸部レントゲン検査では、検査着の共用をやめ、一人毎に取り換えます。
健診をおこなう医療機関では、感染防止策のための資材の調達に頭を悩ませていました。
胃がんなどの発見に役立つ胃カメラ検査。使い捨ての防護服と飛沫感染予防のためのアイガードを着用しています。
沖縄県健康づくり財団・長嶺医師「7、8月、資材の調達に不安。」
問診時に着用するフェイスガードを、手作りするなどして対応しています。
沖縄健康づくり財団保健看護課・松田陽二課長「安心して健診をうけてほしい」
コロナ対策で苦慮する健診の現場。「密」を避けつつ、多くの人が安心して受診できるよう取り組みは続きます。