きょうからスタート、めざせ甲子園です!ことし、夏の甲子園が新型コロナの影響で残念ながら中止となりました。
それでも球児がこれまで甲子園を目指してきた日々や思いが消えたわけではありません。
そこでQABでは、「自分史上最高の夏に」してほしいという球児への思いを込めて「めざせ甲子園」を放送します。
1校目のきょうはこの夏のシード校・沖縄工業です。夢の舞台が消えた後、様々な葛藤を経てチームは気持ちをひとつに夏に臨もうとしています。
朝日新聞 渡辺雅隆社長「49の地方大会、8月10日に阪神甲子園球場で開幕予定だった全国大会ともに中止せざるを得ないと判断しました」
5月20日。この日、夢を追ってきた球児たちにとって無情な現実が突き付けられました。
知名監督「正式に中止が決まったということで正直そこを目指してきて、気持ちを切り替えてとか言いづらいね」
新型コロナに奪われた夏の甲子園。その事実は簡単に受け入れられるものではありませんでした。
沖縄工業 國吉涼介主将「高校3年間もきついことばかりでその時に「甲子園」という言葉でチーム全体がひとつになって戦う気持ちができたりとかそういうのがあったんですけど」
全員野球を掲げてきた沖縄工業ナインの中にも苦しい葛藤が生まれていました。
田里王寿選手「いろいろチーム内でも(甲子園が)無くなって一人ひとり気持ちが落ちた部分があったんですけど」
友利祐太選手「最後まで一生懸命やりたい人とかもういいやって人たちが半分いたのでその気持ちの変化という部分でチームがバラバラだったので」
それでも。
「両手を前に~いくぞ~!よっしゃ~、ランニング!」
今、グラウンドには3年生26人全員そろって新たな気持ちで夏に向かう姿が。そこにはある出来事がありました。
渡眞利瑠也選手「毎日ミーティングして、それでキャプテンの涼介が今のままではいけないって言って」
友利祐太選手「3年生とやっぱり最後までやりたいというところで涼介自身も涙出てたんで」
3年生全員が集まって何度も行ったというミーティング。それぞれの思いが交錯する中で、キャプテンの國吉君が何度も「ひとつになること」を訴えかけました。
國吉涼介主将「最後まで全員でやろうっていうのを毎日このミーティングの時に言ってました。2年間やってきた自信が、僕らにはあるのでやっぱり(県大会が)開催されるんだったらみんなで優勝しようということで切り替えようと話しました」
気丈に振舞い、チームを鼓舞し続けるキャプテン。しかし、その胸の内には誰にも言えない苦しみもありました。
國吉涼介主将「甲子園が開催されないっていうのは正直に言うとまだ切り替えてない、切り替え切れないっていう思いがまだ少しあって、やっぱり小さい頃から甲子園に出るっていうのが夢で野球をやってきたのでそこは切り替えないといけないってわかってるんですけど。やっぱり自分が弱音を吐いてしまうとみんなに影響してくると思うのでやっぱりそこは自分が引っ張っていくという意識を持って」
キャプテンがいつまでも下を向いてはいられない。そんな、キャプテンの思いを誰よりもわかっていたのは仲間たちでした。
田里王寿選手「ずっと1年の頃からずっと甲子園と言っていたのが、一番涼介がずっと言っていたので、その分1番悔しかったと思うんですけどやっぱりこのチームを支える側として、キャプテンとして自分が腐ったら絶対チーム全体が腐るって」
渡眞利瑠也選手「キャプテンが一生懸命引っ張っていって頑張っているので、それに応えようと思う気持ちはあります」
消えた夏を悔やむだけでは終われない。決して消えることのない3年間の思いを胸に26人の3年生たちが、全員野球で夏に挑む!
友利祐太選手「あと最後の夏はこのチーム全員で勝利して最後は笑って終われるように頑張っていきたいです」
國吉涼介主将「やっぱり26人という仲間で3年間やってきたのでこの26人全員で最後沖縄でどこよりも長く最高の夏にしたいと思ってます」
「優勝するぞ!」