女子部員でも「甲子園に行きたい」と北山高校野球部で白球を追い続けてきた上間彩花さん。高校野球をやり切った彼女から見た高校野球とは、どんなものだったのでしょうか?
北山高校唯一の女子野球部員として最後の夏には始球式も務めた上間彩花さん。
上間彩花さん「最後にあの舞台に立てたことはとても幸せでいつもはスタンドからグラウンドを見下ろしていたんですけどマウンドから見た景色は最高でした」
上間さんには、3年間高校野球をやり切ったからこそ見えてきたものがありました。
「ありがとう高校野球」最高の仲間に出会えたことに感謝一生の宝物
すべての表紙に「甲子園」の文字が記された野球ノート。最後のページには高校野球への感謝の思いが。
このノートを書いたのは北山高校野球部唯一の女子部員として練習に励んできた上間彩花さん。
上間彩花選手「女子野球にはない、高校野球には”甲子園がある”ので甲子園に行きたいという思いで高校野球を選びました」
夢の甲子園は叶わなかったもののこの春からは女子野球の強豪・大阪体育大学へ進学し野球を続けます。上間さんには高校野球をやり切ったからこそ、得たものがありました。
上間彩花さん「甲子園に行けなかったことはとても後悔してますが、それでも2年半この高校野球の仲間で、高校野球できたことはとても幸せだなと感じます。得たものは”最後まで諦めないことの大切さ”です。男子と同じメニューについていくのは苦しくて泣いたときもたくさんあったんですけどそれでもついていくって思いでずっとやってきて2年半ずっと同じメニューをずっとできたので」
男子選手に交じり同じ練習メニューをこなしてきた上間さん。しかし、高野連の規定で女子選手は公式戦に出場することはできず、最後の夏もスタンドで迎えました。
上間彩花さん「自分が本当は規定を変えたかったんですけど規定を変えることはできなくて」
試合に出られないのはわかっていたこと。それでも頑張っていれば仲間とベンチ入りできるのではないかと信じて高校野球に食らいついた日々。その思いをつづった野球ノートは3年間で13冊にまで増えました。
弟・幸樹さん「(Q.お姉さんのノートはどう?)すごいです。(自分は)ここまでぎっしりは書いてないです」
ただ、その中でも言葉が少なくなった日が。それが最後の大会のメンバー発表の日でした。
上間彩花さん「夏大の最後のベンチ入りのメンバーが発表された後から、そのメンバー発表された日は何を書いていいかわからなかったんですけど。ベンチに入れなかった時もメンバーに選ばれなかった時もその悔しさをノートに記していたので大学で壁に当たった時など、その時はこのノートを見返して甲子園に行けなかった悔しさを胸にこのノートで大学野球を頑張ろうと思っています」
高校野球が、これからへの糧となっている上間さん。今、大きな目標を抱いて新たなスタートを切ろうとしています。
上間彩花さん「大阪体育大学卒業後は沖縄に帰ってきて体育教師になりたいと思っています。体育教師になって沖縄に(高校)初の女子硬式野球部を作りたいと思っています。野球が大好きな女子の夢を広げられるような存在になりたいと思っています」
仲間と野球ができる楽しさと試合に出られない悔しさを味わった高校野球。その舞台で、もっと女子選手が輝けるように-。上間さんの挑戦が始まります。
上間さん自身も話していた、「最後まで諦めないことの大切さ」この高校野球で培った力を生かして大きな夢を実現してほしいと思います。