県内企業の新たな挑戦を紹介する経済コーナーQビズです!13日は、食品が無駄に捨てられてしまういわゆる食品ロスを減らすために、県内企業がタッグを組んでいるプロジェクトを紹介します。
山城咲貴アナウンサー「よーし!きょうの朝ごはんの厚焼き卵サンド完成したぞ~美味しくできたかな~?あ!!パンの耳こんなに切っちゃった!もったいないな~~」
芳醇な香りに、小麦色の輝き・・ん~仕事終わりに一杯飲みたくなりますよね~きょうご紹介するのは現在、オリオンビールが県内企業と共同開発している国内でも珍しい「ある原料」を使ったこちらのビール!
なんと、こちらのビールの原料に使われているのは…”パン”!
ビールが生まれるキッカケとなったのは、西原町にある創業73年の食品製造メーカー、オキコ。一体なぜ、パンからビールが生まれることになったのか、プロジェクトの中心メンバー、仲田さんにお話をお聞きしました。
オキコ 仲田すま子さん「去年、私たちが発売したポケットランチという商品があるんですが、これが食パンを使ったサンドイッチなんですけどその際にパンの耳がでてきてしまうっていうところでそこの課題としてどうにかできないかなと」
オキコが去年10月に発売した、こちらのポケットランチ
当初の予想を上回る人気で、売り上げを伸ばしていますが実は、売れれば売れるほど発生するのが、製造ラインで、不要なために切り落とされる「パンの耳」その量は、1日平均、500キロから1トン
山城咲貴アナウンサー「実際に廃棄されるパンの耳を目の当たりにした時どう思われましたか?」
オキコ 仲田すま子さん「そうですね。はい、もうこんなにあるんだ~の一言ですね。ただだからそこが飼料の方にしていただいたりはしてはいるものの、なにかもうちょっとこの取り組みとして何かできないかなというところを探していた」
これまで、豚や鳥などの飼料としても活用していましたがほかもっと有効な理由方法はないかと模索していたところ…
オキコ 仲田すま子さん「ヨーロッパの方でこういった感じでパンのビールっていうのがあるらしいよっていうのを聞いて、そこから色々調べたりして、縁あってオリオンさんとお話させていただく機会がありましたのでそこからがキッカケです」
そこで去年の12月から県内初、「パンビール」開発プロジェクトがスタートしたのです!
パンビールはどうやってつくられているのでしょうか?今回特別に、パンビールを開発している現場を見学させていただきました!!
食品ロスを削減しようとオキコとオリオンビールが開発しているパンの耳を使った「パンビール」今回、特別にオリオンビール工場の中の開発室を見させていただきました!
パンビールの原料となるのが、大麦麦芽・パンの耳・ホップ。パンの耳は細かく粉砕して使います!
①まずは仕込みの工程。麦芽とパンの耳を混ぜ合わせて容器でお湯と混ぜ麦汁というビールのもとをつくります。
山城咲貴アナウンサー「今は組み合わせの中で一番いい組み合わせを探している段階っていうことですか?」
オリオンビール 大城敬一郎さん「そうですね。(年末ごろから)仕込みを始めていて今で10回くらい仕込んでいますね」
ろ過などをし抽出してできたのがこちらの麦汁
②この麦汁を樽に入れて10日間、この機械の中で発酵させます。
③そのあと20日間熟成させて、完成です。
まだまだ試作途中のパンビールオリオンビールとしても初めてパンを原料として扱うため難しいことだらけだったといいます。
オリオンビール 大城敬一郎さん「最初はビールとしては美味しくない。ビールに合ってはいけない香りが多くてちょっとこれはビールとしては飲めないっていう味だったり、パン由来の塩味っていうのが強くてそれをいい塩梅に落とせるかっていうところを今、模索しているところですね」
現在、試作途中ですが特別に試飲させていただきました!!
山城咲貴アナウンサー「貴重な、10作品目を。じゃあ香りから、おお~香りは甘いんですけど飲んだ瞬間は塩味が来る感じがします。でもビールのこういうホップとか麦芽の香りもする」
オリオンビール 大城敬一郎さん「まだ熟成の途中なのでもっと香りは減ってくるんですけど」
山城咲貴アナウンサー「これを今後どういう風に改良していくんですか?」
オリオンビール 大城敬一郎さん「これをもうすこしパンを感じられたらいいな。飲んだ瞬間こう食パンの耳の香ばしい香りがするねっていうようなバランスに落とせたらなとおもいます」
今年の秋ごろの完成をめざして2社による、初めての挑戦が進んでいます。