甘くて子どもにも人気のトウモロコシ。今、県内で話題になっているのがこちら。白いトウモロコシです。おばあちゃんの涙がきっかで生まれた笑顔を届ける白いトウモロコシの物語です。
居酒屋店主:「凝縮されている感じの歯ごたえと甘みがおいしかったですね。」犬カフェのスタッフ「もう甘さが、口に入れた瞬間ジュワ~っと」香水店の女性「プチプチでめちゃくちゃ甘いですね」
口をそろえて称賛するのは、沖縄県産の白いトウモロコシ。つるつるの粒は、まるで真珠のように輝いています。そしてこのトウモロコシを食べた方はみんな笑顔に。この白いトウモロコシには、生産者によってある魔法がかけられていました。
「おはようございまーす」朝6時30分。金武町にある松島農園ではほぼ毎日この時間から白いトウモロコシの収穫や手入れが行われています。
「トウモロコシは朝採りがいいと言われていて、糖度が増すということで、朝収穫してますね。」
こちらで栽培されている白いトウモロコシ『汐風(しおかぜ)パール』は、糖度が18度~22度あります。リンゴと比べるとご覧の通り。糖度が高いのがわかります。
「なにより、びっくりさせたい」甘さにこだわる理由。それは、松島さんが大切にする、ある目的にありました。
金武町で栽培している白いトウモロコシ『汐風パール』。誰もが絶賛するほど甘いその裏には、生産者の松島さんが大切にするある目的がありました。
松島さんの元々のお仕事は、代々受け継いできた沖縄市にある看板屋。現在でも農業をしながら看板屋の代表をしています。農業を始めたきっかけは、ジャングルのようになったひいおばあちゃんの畑をみておばあちゃんが言った一言でした。
松島さん「ここで作った母ちゃんの野菜は食べることが出来なくなったね。(ひい)おばあちゃんが亡くなったからって。(おばあちゃんが)大泣きしたんです。その光景を始めてみて。それでどうにかしないといけない、泣かしてはいけないという一心だけで翌日ホームセンターに行って草刈り機を買ってすぐ(ひい)おばあちゃんの畑にいったんですよ。」
その畑で初めて作ったのはジャガイモでした。松島さん「おばあちゃんに真っ先にもっていったんですよ。そしたら、ホントだ。(ひいおばあちゃんの畑で作った野菜だ)本当に分かるかはわからないですけど、(ひい)おばあが作っていたところの野菜と一緒だと思うよ。ジャガイモを食べて喜んでもらって、その喜んだ顔が僕は一生忘れることがないと思う。」
この出来事で松島さんの農業が始まりました。この畑で作られたたくさんの野菜は、おばあちゃんはもちろん、知人などに無償で配っていたそうです。
松島さん「そこで、心の中に入ってきたのは、作物を人にお届けしてそれがおいしければ人を“笑顔”にすることができるんだなっと自分の中で実感した」
“笑顔”。松島さんが農業をするにあたり一番大切にしている言葉です。松島さん「人を喜ばせて笑顔にさせることが出来て本当に充実していると感じていた時にある先輩からこういわれたんです。お前これ一度これからは売ってみたら。その時の作物がトウモロコシだったんです。」
この先輩の後押しがあって、本格的にトウモロコシでみんなを笑顔にしようと決意したそうです。初めは黄色いトウモロコシを作っていましたが、JAの勧めで白いトウモロコシを栽培するようになりました。おばあちゃんを想う松島さんの気持ちが、庭の畑から現在は1700坪の畑へ。年間2万5000本の白いトウモロコシで笑顔を届けしています。
香水店の女性「(食べて)汁がたれる~~~すっごい甘いですね!!!うちの主人、おいしいってあまり言わないんですけど(白いトウモロコシを)自分からおいしいって言って食べていました。」
ドックカフェのスタッフ「子供たちは最初いつもの黄色いコーンしか食べたことなくてホワイトコーンは初めて見たんですけど、食べたら甘いって大喜びでしたね。」
居酒屋店主「本当においしいです。その辺で買ってくるのと全然違う。」
今後は代表をしている看板屋をゆずり、農業一筋でやっていくそうです。
松島さん「農業を通しながら人を喜ばせたり笑顔にさせたり食卓を和やかなムードにさせることができるのが農業の魅力だし、ずっと魔法をかけ続けていきたいと思っているんです。」
「そしてスタジオに、松島さんが作った今日の朝採れたての汐風パールをご用意しました。生でも食べられるそうですが、今回は茹でて用意しました。」
「では、私がいただきます。すごく甘い。みずみずしいです。」「黄色いトウモロコシと比べたら白いトウモロコシはクリーミーだそうです。」「松島さんが作った汐風パールは、お店にはほとんどおいてなく、個人販売が主だそうです。収穫時期などもありますので、もしお求めの方は、フェイスブックで“松島農園”と検索してお問い合わせください。」