緊急事態宣言が出され、人の動きが自粛される今、ますます新型コロナの経済への影響も広がろうとしていますが、労働者の切実な声が届いています。
こちらは、県労連が県労働組合総連合が、先月27日と28日の2日間、観光産業で働く人たちに実施したアンケートで寄せられた声です。
男性50代・アルバイト「職場は中部のペンション。4月から自宅待機と言われた。他のアルバイト2人も同様に言われている。賃金は無給と言われているので心配。」
女性30代・フリーランス観光ガイド「大手旅行会社と『仕事があるときだけ』との約束で、月に3~4回、団体ツアーのガイドをしてきた。仕事がぱったり途絶えて収入がゼロになった。補償する制度はないか。」
これは、先月の段階での話なので、今月はさらに深刻になっている可能性もあります。こういった内容の相談は非正規雇用者だけでなく、正規雇用の人からも聞こえています。アンケートをまとめた、県労連に現場の声を聞きました。
県労連・嶺間信一事務局長「(コロナ感染問題で)一番打撃を受けてるのは観光産業。広いですから波及はどんどんしていくと。」
県労連の嶺間事務局長は、深刻な新型コロナの影響は観光産業に色濃く出ていて、従業員の自宅待機などが続き、赤信号が点滅していると話します。
県労連・嶺間信一事務局長「(経営が)もう持ち応えられない。自宅待機なると最低でも賃金の6割、これは平均賃金ですから通常もらう賃金の6割とは限りませんが、それでも従業員に出すお金が無くなってくると、そうなると解雇、これからだんだん解雇が増えてくるのでないか。パートだとか正職員だとか限らず、置かれてる状況は一緒だと思います。」
政府はコロナ対策として、コロナで休職中の期間、雇用保険の条件を緩めて給料の6割を支給するという施策を発表しています。しかし。
正職員観光バスガイド「時給900円で働いてきた。3月30日から自宅待機と言われた。賃金は6割支給すると言われたが、それではとても生活できません。」
男性派遣労働者「派遣労働者としてレンタカー会社で仕事をしている。会社から、数日間休むように言われた。賃金補償もないと言われた。」
労働環境が全国よりも悪い沖縄県の場合、雇用保険にさえ加入していない事業者や個人が多く、政府の支援の枠からこぼれ落ちる人たちが多くいると、嶺間さんは指摘します。
県労連・嶺間信一事務局長「パートとか非正規が全国一割合の高い沖縄県において、雇用保険受給さえないという人たちが結構いると思うんですね。(その人たちに求められる支援は)通常の賃金の8割、或いは年収200万円以下の人たちには10割、こういう抜本的な所を緊急事態として措置していかないと生活する点ではかなり難しいと思います。」
新型コロナの収束が見えない今、働く人々の生活を下支えしなければ、あすが見えない人たちが増えていくことは確実です。