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新型コロナウイルスの感染拡大が全国で広がる中県内の観光地にも異変が起きているようです。

「南の島は安全」などとネットで飛び交う情報を信じ、沖縄旅行に来る人達がいます。不要不急の外出や、旅行の自粛などの声が広がる一方で観光立県の沖縄で起きている今を考えます。

石垣市 中山義隆市長「熱がある人、咳がある人、体調がすぐれない方は石垣島への渡航を旅行を自粛してくれませんか」

おととい、観光客の石垣島への旅行自粛を訴えた石垣市の中山市長。そこには、離島石垣島ならではの切実な背景がありました。

現在、全国各地で拡大を続ける新型コロナウイルス。きのうだけでも全国で確認された感染者数は270人を超えるなか県内では感染者数が9人に留まっていることからインターネットのSNSではこんな情報が飛び交っています。

「南の島は安全だから」「休校になったのでコロナ避難」このような書き込みに対し、あるブログが話題を集めました。

「お願いだから石垣島にこないで」ブログには感染に不安を抱く言葉が続きます。「石垣島は生活圏が狭く、とても生活しやすい島です。それは、ある意味、人口が集中しやすく感染者がいた場合は瞬時に広がることも意味しています」

新型コロナで「変わる観光地の姿」

島の総合病院は八重山病院一つだけ。一度、感染が広がれば、医療が崩壊しかねない危険があると訴えているのです。

石垣市 中山義隆市長「実際には、島には感染病床が3床しかなくて、実際に患者が発生した場合には中々対応が厳しくなってくる」

同様の要請はけさ、宮古島でも行われ離島を訪れないよう自粛を求める声が大きくなっています。しかし島には今、多くの観光客が訪れていました。

「あんまりマスクをしてなかったりするんで移ったら大変なことになるんだけどと思いがら見てます」「たぶん(今までより)倍以上は来て頂いてるのかなという感じ」「急にうわっと多くなった感じ」

きょうの那覇空港、観光客インタビュー(大阪から来た観光客)「正直悩んだんですけど、キャンセル代が返ってこないことが大きいので」「(沖縄は大都市部より)まだ、ましなのかと思います」

政府による旅行自粛の呼びかけもあり航空会社の減便も続く中、那覇空港には観光で沖縄を訪れる人の姿もありました。一時期に比べ人通りが少なくなった国際通り。今、どのような状況なのでしょう。

山口県からの観光客「「逆に空いているかなと思い来ました」「プール入ったり、子供たちがずっと家にいるので外にちょっと開放してあげたいなと思って」「ニュースとかでは確認する(感染者が)何人とか沖縄もそんなに人数多くないのであまり気にしてない消毒とかきちんとするんですけど」

埼玉県からの観光客「(沖縄でも)密集するところはマスクしないとなと思ってマスクは持ち歩いています」

一方、観光客を迎える店の人も商売との狭間で悩みを抱えていました。

新型コロナで「変わる観光地の姿」

店員「(離島は)SNSとかで南の島は大丈夫だという噂が広まっているみたいだが(本島は)日に日に歩く人が少なくなっていっている」「怖いとか不安はあるけど今は観光の方に来てもらわないと困るので難しいですね」「今マスクしてなくて咳混む人がいると心配になる」「マスクが薬局とかでも買えなくて品不足ということもあり、やはり手に入らなくてマスクができないって人も多くいると思うんですけど、されてないと不安なところはある」「せっかく沖縄にきて散策したい気持ちもあると思うんですけど、一人一人(感染予防を)心掛けてもらえれば防げると思うので一番は健康が第一だと思う」「頑張って今のうちで食い止めて頂いて(今後)盛り上がっていけたらと思う」

ただ、心配な事例もすでに確認されています。先月22日、岐阜県から訪れた50代男性は倦怠感などの症状がありながら5日間県内に滞在し、医療機関も受診。地元に戻ったあと、感染が明らかになりました。

名古屋からの観光客 「自分がうつしてもいけないし、かかってもいけないから地元にいる時以上に消毒は一生懸命にしている。こっちでもないと思ったから家から大量に除菌物を持ってきて部屋の中でもしゅーってまいている」

観光立県沖縄だからこそ、観光客には来てほしい。しかし、新型コロナの感染拡大防止のためには人が行きかうことは避けたい。新型コロナ感染拡大に収束する状況が見えないまま観光地沖縄での警戒は続きます。