Qプラスリポートです。2020年で109年の歴史に幕を下ろした。崎本部小学校。先週は2人の6年生が最後の卒業式を行いました。彼女たちの目に映った最後の小学校を取材しました。
前田さくらさん「学級目標を言いましょう」
「みんなで協力できる5、6年生。考えて行動できる5、6年生。笑顔いっぱい元気で明るい挨拶ができる5、6年生」
本部町の崎本部小学校は全校生徒18人。5、6年生は同じクラスで学ぶ小規模校です。
設立から109年の歴史がありますが少子化の影響もあり今年度での閉校が決まりました。
5年生だった去年から2年続けて最上級生として後輩たちをリードしてきたのが最後の卒業生前田さくらさん、江口まこさんの2人です。
前田さくらさん「他の学校は人数も多くて楽しそうだったけど(卒業生は)まーこーと2人だけで最後に楽しく精一杯できるようにしたい」
江口まこさん「閉校することに関してはさびしい気持ちもあるけど、最後の卒業生としてみんなで思い出をつくっていきたい」
5年生の時からの担任 髙嶺悠教諭「崎(本部)小の子どもたちは人数は少ないがみんな仲が良くて、そこが一番良いところで明日の卒業式でこの子たちが何か想いを持って参加してくれたらと思っている」
卒業式を翌日に控え体育館では先生や下級生たちが総出の準備を行っていました。
與儀光くん(3年)「6年生を送るからきれいにしようと」
奥村紗矢さん(2年)「ちょっと寂しい。(Q.どんなことが寂しい?)みんなバラバラの学校になるから」
最後の記念となるはずが、新型コロナウイルスの影響で式場に入れるのは子どもたちと学校関係者卒業生の父母だけとなりました。
喜友名悟校長「式場にいらしていただく皆さんをどうしても安全の配慮上人数を絞らないといけないというところが難しい」
限られた環境の中でも2人を快く送り出したいと準備が進む中、名護湾をのぞむ崎本部の丘にまこさんとさくらさんの姿がありました。「江口窯」はまこさんの自宅です。2人はまこさんの両親に手伝ってもらいながら先生や後輩たち学校のみんなへと陶器のコップを作り上げていました。
江口まこさん「(Qみんなプレゼントのことは知っている?)知っていません。サプライズ(Qどんな顔してほしい?)やったぁ!みたいな。泣いて欲しい」
前田さくらさん「次の学校に行ったり他のところに行っちゃっても一緒に(学校生活を)した思い出で頑張って欲しいなと思う気持ち」
きれいに拭き上げたコップをみんなで包装していきました。
父 江口聡さん「本当にみんなそれぞれがお互いの性格をよく分かっていて。本当に家族。それが一番良かったね」
母 江口博子さん「たくさんの卒業生が居た中の一番最後の卒業生になるが(崎本部小学校の)誇りを持って中学校に行ってほしい」
入場が制限され規模も縮小された卒業式。取材撮影は外から。入れないと知りつつ駆け付けた地域の人の姿もありました。
江口まこさん(壇上での決意発表)「私の将来の夢は看護師になること。そのためには苦手な社会や数学などを頑張り文武両道で頑張りたい」
前田さくらさん(壇上での決意発表)「私の将来の夢は学校の先生になることです。そのために中学校では勉強も部活も文武両道頑張り、いろいろなことに挑戦したい」
2人の両親が見守る中一緒に遊び学んだ後輩たちからのメッセージは。
下級生群読「学校生活を良くしようと頑張ってくれたまこさん、さくらさん、ありがとうございます。私たちはもう大丈夫です。それぞれの学校で頑張ります」
卒業式の後、2人はみんなにプレゼントを手渡していきました。2年間担任をつとめてくれた高嶺先生にも・・
江口まこさん「割れ物だよ」
高嶺悠教諭「食べ物?」
江口まこさん」割れ物!!何で食べ物なの!?」
前田さくらさん「ちゃんと優しく言って!」
高嶺悠教諭「すごく想いの詰まったものを頂けた大事に次の学校でもコップにして使いたいと思う」
江口まこさん「先生は泣いているかどうか分からないけど感動させられたかなと思った」
前田さくらさん「(最上級生の)役目が終わったなと思ってほっとした。崎(本部)小みたいに仲良しの雰囲気を中学校に持っていけたらいい」
おとといは閉校式も行われた崎本部小学校。学び舎での思い出を胸に子どもたちは新たなスタートを切ります。