沖縄から直線距離で2600キロ、東南アジアの「ラオス」。遠い国のように見えて、実は沖縄と深いつながりを持っている国です。沖縄とラオスで生まれた2つの架け橋とは。
ラオラオ酒協同組合・ピッサマイさん「みなさんラオス・サーイ村の美らラオは美味しいですよ、飲んでみませんか~」
先週土曜日、泡盛のルーツともいわれるラオス伝統のお酒・ラオラオ酒が国内では初めて輸入され、販売が始まりました。
「美らラオ」を購入した人「以前に比べたら品質もいいと聞いているので楽しみにしています」「(ラオスのお酒は)珍しくて 興味があって飲んでみようと思った。泡盛のルーツとも言われているので」
美らラオの販売は、持続可能な地域社会を住民自らの手でつくってほしいと、コープおきなわが3年前からラオスを支援しているプロジェクトの一環です
コープおきなわ・石原修プロジェクトマネージャー「きっかけは僕がサーイ村に行ったときに女性たちから『瓶に入れて売りたい』『ラベルをはって売りたい』けど、どうしたらいいかわからないと相談があった。(ラオラオ酒は)各家庭で細々と造っている状況だった。水もきれいな水を使ってない、賃金として還元できてなかったのが現状」
これまで女性たちがそれぞれの家庭で手作りして販売していたラオラオ酒を、石原さんは協同組合を設立し、産業化することで、女性の地位向上や村の活性化、そして貧困の解消を目指しました。
女性が中心となり事業の運営、マーケティングなど製造からラベル張り、瓶詰までの全工程を担います
コープおきなわ・石原修プロジェクトマネージャー「ぶっちゃけ言いますと、男性だけだとどうしてもお金ができたらお酒を飲むとかが起こる。彼女たちと話をすると、子どもたちの将来とか、進学とかそういう話をする。それにかけてみようと思った」
沖縄での販売を機に、この日は美らラオ作りの技術指導をおこなった泡盛酒造所を視察。品質の向上や製品管理など、より質の高いお酒造りを学びます。
久米仙酒造株式会社顧問・平良正諭輝さん「この泡盛は造って3日、この泡盛は3年前。この美らラオは1年くらい貯蔵している。どうですか?違いはっきり分かりましたか」
ラオラオ酒協同組合・ティッドさん「3年古酒が香ばしく良い香りがしました」
ラオラオ酒協同組合・ガイソーンさん「3年古酒を飲みました。とても香ばしくて、とても美味しい。感動した顔です」
久米仙酒造株式会社顧問・平良正諭輝さん「やっぱり貯蔵することによって、泡盛も美らラオも美味しくなっていく。香りも良くなることを感じてもらった。ラオスの伝統の作り方を変えたらだめ。これをどう工夫していくかが(課題)。少なくても3年置ける仕組みができたら、他がマネできない。他のラオラオ酒もこのお酒をマネできない」
ラオスの伝統的な酒・ラオラオと、泡盛の技術が融合した蒸留酒「美らラオ」。沖縄とラオスの架け橋になって笑顔を注いでいます。
そしてもう一つの笑顔が・・・
2018年7月、ダム決壊事故で被害に遭い、学校を失ったラオスの村に、県内の高校生が募金活動で集めたおよそ418万円で幼稚園が完成しました
陽明高校卒・末吉未空さん「本当に形になったんだということに対して、うれしい気持ちでいっぱいでした。協力していただいたみんなの思いも含めて、建設された幼稚園がただの箱で終わらないように、ラオスとの関係を良い方向に築けるように頑張っていきたい」
沖縄尚学高校卒・勝連俊太朗さん「学校建設で学校が建ったで終わらせずに、何ができるのか、実際に現地行ったり、たくさん話を聞いて、これからやるべきことを見たり聞いたりして考えていきたい」