県内で1人しかいない女子高生ボクサーです。ボクシングにかける情熱を取材しました。
北谷町の沖縄ワールドリングボクシングジム。男子選手たちの中でひたむきにトレーニングを重ねるのは、嘉手納高校2年の岸本有彩(きしもと・ありさ)選手。
去年10月の全国大会にライトフライ級で出場し準優勝。1月の九州大会は2連覇と実績を重ねています。
岸本有彩選手「県内で自分だけなので、高校女子でボクシングをやっているのは練習相手を探すのも一苦労だが、みんな(男子選手も)自分のために練習相手になってくれたりとか、普通にしゃべってくれたりとかしているので、ジムの練習はめっちゃ楽しい。」
小学生のころはキックボクシング、中1からボクシングに専念する根っからの負けず嫌いは、強くなりたい一心で厳しい練習も毎日欠かしません。
中真光石会長「パワーがある、フィジカルが強い。スピードも持ち味身体能力を生かして、オリジナルのスタイルを作っている。」
一見ノーガードに見えるスタイルも、同じ階級のライバルで10月の全国大会決勝で敗れた、東京の篠原選手を意識しています。
岸本有彩選手「ディフェンスとかしているひまがあったら、攻撃した方が良いと自分は思っているので、それであんな(ノーガードに見える)戦い方になっているのかなと思う。すぐパンチが出せるように。」
元々は名護出身ですが、長所を伸ばしてくれる中真会長の指導を受けたいと、ジムのある北谷に引っ越しました。その有彩さんの思いをサポートする父・有三さんはキックボクシングの経験者で、トレーニングコーチ役を務めています。
父・岸本有三さん「一人の親として、いつまで寄り添ってこういうことを出来るか分からないが、目指すところはオリンピックだったり、プロの世界や、チャンピオンだと思うが、その舞台に立つまで一緒に続けて行きたいなという気持ちで今頑張ってやっているところ。」
父親としては気になることもあるようで。
有三さん「彼氏いないだろ?」
有彩さん「そうだけど(笑)。男をつくって負けるくらいならつくらない!」
青春をささげてライバルとの試合に備えていた有彩さん。ですが、新型コロナウイルスの影響で今月予定されていた全国選抜大会が中止に。悔しさを抱えながら次の大会を見据えます。
岸本有彩選手「ボクシングは本当に一対一で拳だけで試合をやって、その分勝った時の快感とか達成感というのは、他のスポーツと比べてすごくあるのかなと思う。早く試合をしたいのが本音。」
来月からは3年生。高校最後の1年をさらなる飛躍の年とします。