連日お伝えしている新型コロナウイルス感染拡大のニュース。県内でも今月14日、初めて感染が確認されて以降きのうまでに3人の感染が確認されています。感染ルートはどこからなのかクルーズ船との関連は?新たな局面に入った現状をまとめました。
国内で感染が広がる新型コロナウイルス。今月1日にクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が那覇に寄港し、ほとんどの乗客などが下船したことから、県内でのウイルス拡散が懸念される中、先週金曜日、県内に衝撃が走りました。
知事会見「本日沖縄県における最初の新型コロナウイルス感染症の患者が確認されました。」
県内初の感染が確認されたのは60代の女性タクシー乗務員でした。女性は今月1日に「ダイヤモンドプリンセス号」の日本人乗客4人をタクシーに乗せ、那覇から南部の観光施設まで案内。その後5日に、せきなどの症状が出始め12日に病院を受診したところ肺炎の兆候が見られたため検査を実施。14日に感染が確認されました。病院を受診するまでの間、女性は、4日間働いていたことが分かっています。
そしておととい。
知事会見「本日沖縄県において、2人目の新型コロナウイルス感染者が確認されましたので発表します。」「患者は60代男性、職業はタクシー乗務員」
2人目の感染者として発表されたのは那覇市に住む60代の男性タクシー乗務員。
男性も1人目の女性と同じように今月1日にダイヤモンドプリンセス号の乗客をタクシーに乗せていました。その後、10日に関節の痛みなどを訴え翌日には、せきなどの症状が出たため、仕事を早退しこの日以降、自宅で療養していましたが、14日には39.1度まで熱が上がり18日に息苦しさなどを感じたため病院を受診し検査したところ、おととい感染が確認されました。男性は重症の肺炎であることもわかっています。
男性は、症状が出るまでの2日から10日までの間、8日間働いていたことが分かっています。
そしてきのう。
知事会見「沖縄県における3人目の新型コロナウイルス感染症の患者が確認されましたので発表します」
2日連続で感染者が出る事態に。感染したのは80代の農業の男性でした。男性は6日に微熱などの症状が出ていましたが17日になって下痢や食欲の低下がみられたため病院を受診。その際、肺炎の所見が見られたため検査を実施したところ、きのう感染が確認されました。
この男性は、先に感染が確認されていた2人との接触歴はなく、ダイヤモンドプリンセス号との接点も確認されておらず、県はこの男性の行動歴などを現在、調査しています。
県内でも感染者が拡大し始めている新型コロナウイルス。県医師会では、感染拡大防止に向け、不特定多数の人が集まるイベントの開催を控えてほしいと呼びかけました。また那覇市では、今月中に開催予定の市が主催するイベントを中止・または延期にするなど各自治体も同様の対応が広がっています。
記者解説 新型コロナ 今後の対応は?ここからは船越記者です。新型コロナウイルスが県内でも初めて感染が確認されてから1週間で3人の感染者が出る事態になってしまいましたね。
船越記者「まず、これまでに感染が確認されている3人の容体ですが1人目のタクシー乗務員の女性は軽症で2人目のタクシー乗務員の男性は重症の肺炎で集中治療室で治療中、3人目の農業の男性は軽症とみられています。」
船越記者「また県はきょう新たに4人の検査を実施し全員陰性だったということです。」
きのう感染者との接点が見られない人が感染したことで新たな局面に入ったといえるのでしょうか。
船越記者「この男性にはこれまでに感染が確認されている2人との接点はなく、ダイヤモンドプリンセスの乗客との接点も現段階では判明しておらず、どこから感染したのか見当がついていない状況です。」
船越記者「これを受け県はきのう「市中感染」も否定できない状況だとして危機感を強めていて、新たな局面に入ったといえそうです。」
いつどこから感染するかわからない状況になっているかもしれないということですよね。すでにイベントなどの中止も決まっていますがこれからは受験シーズンも控えているので影響が心配ですよね。
きょう県教育委員会は来月行われる県立高校入試について感染の疑いや症状などがある生徒に対しては事前に申請をすることで別日での受験を認めることとしました。
船越記者「しかし、来週予定されている国公立大学の2次試験に関しては例年は認められていないマスクを着用しての受験は認めていますが県内の各国公立大学は対応が間に合わないとして現段階では追試を実施しないことを決めていて高校と大学で対応がわかれています。
船越記者「いつどこから感染するかわからなくなってきた状況になった今私たち一人ひとりのマスクの着用や手洗いなどの徹底を心がけることで自分の感染防止につながるのはもちろんですが、県内での感染拡大防止にも重要です。」
船越記者でした。