先週、嘉手納町の小学校で、新校舎の改築に伴い古くなった校舎とのお別れ会が催されました。卒業生たちが一堂に集まったこのイベント。どんなドラマがあったのでしょうか。
嘉手納町の屋良小学校。朝から、多くの人が校庭に集まっていました。
屋良小学校・友寄兼秀教頭「自分本人やお父さん、お母さん、また、子どもたちが通った学校、校舎になっていると思いますので、ぜひとも最後のお別れをしていただきたいと思って本日、その会を設定しました」
1906年に歴史をスタートさせ、114年目を迎えた屋良小学校。新しい校舎をつくったことで46年前に建てられた職員棟など3つの建物を取り壊すことが決まりました。
そこで、古い校舎での思い出を振り返ろうとかつての卒業生たちが集まったのです。
74期生 伊敷猛さん「みんな、屋良小学校に関わった幅広い年代が集まっているので、屋良小学校卒業なんだな、同窓(生)なんだなっていうことで楽しんでいけたらいいかなと思う」
タイムカプセルを入れた卒業生3人組「(Q.何を入れたのか覚えていますか?)あんまり覚えてないね…」「手紙を入れたのは覚えているんですけど」「恥ずかしいことが書いてなければ(笑)」
タイムカプセルを入れた卒業生「お酒も入れたはずなので、いい古酒になっていればなと思います」
この日のメインイベントは”タイムカプセル”の掘り起こし!小学校が90周年と100周年を迎えた時に埋めました。掘り起こすこと30分、タイムカプセルの中から思い出の品々が姿をあらわしました。
90周年の時に6年生・末吉毅至さん「残ってはいたんですけど、全然、保存状態が悪くて…」
写真など一部ボロボロになったものもありましたが、しっかりと残っているものもありました。
90周年の時に1年生・友寄哉子さん(当時の手紙を読む)「20年後の私へ、20年後の私はきっと、お花屋さんになっているかな?そして、お客さんにお花を売っているかな?です。1年生の時にアサガオを植えた記憶があって、お花は好きでした」
登下校時に必ず通る正面玄関の下駄箱や教室の後にあるランドセル置き場、たくさんの子どもの成長を見届けてきたものがそのまま残る旧校舎。
黒板には感謝を伝えるたくさんのメッセージが書き残されていました。
1988年卒業 石嶺邦雄さん「6年の時にこの校舎が完成して1年間だけこの校舎で授業しました。当初、ここは全部絨毯だったんですよ。つくった時は、みんな裸足でみたいな、上履きとかじゃなかったんですよ」
号令「気をつけ!令!おはようございます」
この日にあわせて行われた旧校舎での最後の授業。授業をするのは、教師として初めの一歩をこの屋良小学校で踏み出した吉濱剛さん。5年前に一線を退き、このために石垣島から駆けつけてくれました。
吉濱剛さん「崩すけども、みんなの校舎、この教室は永遠に残っている」
授業を受けるのは38年前に卒業し、今年50歳になるかつての教え子たちです。当時の思い出を振り返っていました。
6年生の時の教え子で現在教師・玉城尚美さん「楽しかったです。授業もすごく楽しくて、熱い先生でこんな先生になりたいと思って(教師になった)」
吉濱剛さん「(教え子たちは)変わっていないですね、でも立派になった。感謝しかないですよね。若い青年教師を鍛え上げたこの校舎です。 なので、きょうはぜひ、最後のお別れに、ありがとうと私も伝えに来ました」
来月、取り壊しが始まる屋良小学校の旧校舎。当時を懐かしむ卒業生たちの活気にあふれていました。