33年ぶりの確認に県内に衝撃が走りました。
家畜伝染病CSF。いわゆる豚コレラがうるま市内の養豚場で確認されました。今後の影響に懸念が広がっています。
玉城知事「おととい、県内の養豚場において、飼養豚が死亡しているとの通報があり、国に検体を送付し、検査したところ残念ながら豚コレラの患畜が確認されました」
県などによりますとおととい、うるま市にある養豚場から「複数の豚が死んでいる」と県に連絡が入りました。
県による簡易検査で「陽性」だったことから国がさらに詳しい検査を実施したところ、家畜伝染病のCSF、いわゆる豚コレラが確認されました。
県内での確認は1986年10月以来、33年ぶりです。
「豚コレラ」は豚やイノシシの病気で人に感染することはなく、また感染した豚肉が市場に出回ることもありません。
8日、この養豚場と隣接する別の養豚場でも豚コレラの陽性反応が確認され県はこれらの養豚場で飼育されていた豚も合わせて1813頭を殺処分することにしていて、中には沖縄のブランド豚、アグー豚も一部含まれるということです。
これを受け、県はけさ、緊急の会議を開き今後の対応などについて協議しました。
現場の陸自入り自衛隊にも災害派遣要請を行いました。
8日午後には江藤農林水産大臣が沖縄を訪れ那覇空港の検疫カウンターなどで水際対策(防疫対策)を視察したほか、玉城知事と意見交換しました。
意見交換の中で玉城知事は事態の早期正常化に向けて国に協力を要請しました。
江藤大臣「私が一番恐れていた遠隔地での発生。しかも海で大きく離れている沖縄県で発生したことは深刻な事態だということを共有させていただいた」
江藤大臣は獣医師27人を沖縄に派遣していることなどを明らかにし今後は感染経路の解明や被害にあった支援も検討するとしました。
石橋記者「養豚場から出てきた車に消毒液を吹きかけ、ウイルスを外に出さないようにしています」
豚コレラの感染確認を受け、現場周辺では消毒を行うなど感染防止の対策に追われていました。
一方、33年ぶりの豚コレラ確認について動物の病気などに詳しい琉球大学の佐野文子(あやこ)教授は。
佐野教授「感染経路はすべて人為的なものが関わっていると思います。例えば飼料の搬入とか、いろんな人が来るというようなところで防ぎきれないところがあったんじゃないかと思っています。どこから入ってきてもおかしくない状況」
県や国は感染経路などの解明を急ぐとともに感染拡大を防ぐための措置などを講じるとしていますが、沖縄の食卓に欠かすことができない豚だけに今後の影響が心配されます。