今月24日、この日をドキドキしながら待っている人も多いかもしれません!春のセンバツに21世紀枠での出場が期待される本部高校。選手たちは直向きな姿勢で吉報を待っています。
まだ日も昇らぬ、午前6時半。本部ナインの姿は既にグラウンドに。休日はこの時間から午後7時頃まで。学校がある平日も朝は6時40分から、放課後も午後8時ごろまで練習が続きます。
川田莉空選手「最初の頃は朝早くてきつかったけど、もう慣れてます。」
徳村琉夢選手「(練習試合の日は)練習試合をやって終わってから、また練習。」
多くの練習の甲斐あって、新人大会ではベスト4、秋の大会ではベスト8も。優勝した沖縄尚学と接戦を演じるなど、着実に力をつけています。
選手たちにとって、今年は特別な1年の幕開け。去年12月、21世紀枠候補の九州地区代表に選ばれ、春のセンバツへ出場できる可能性が出てきたのです。強い意気込みを持って練習に取り組む選手たち。その体力面を支える取り組みがチームにはあります。
練習の間に昼や夕食とは別に設けられる「補食」。家庭からの弁当に加え、チーム唯一のマネージャーである平安山海(まりん)さんと宮城監督が毎日手作りの料理を出しているんです。
平安山海さん「応援してくれる人がいるし、みんなも頑張っているから頑張ろうと思います。」
そして驚くべきはその豊富なレシピ。この日の夕方はエビチリならぬ「トリチリ」に始まり、ある日はトマトパスタ、ある日はロコモコと、野球部の取り組みとは思えない料理が並びます。
宮城監督「最初はお米だけだったんですよ。お米だけ食べさせていて部員を見ていると苦しそうに食べているんですよ。それではいけないだろうということで、3年前にいた昌平君がいて、『先生、カレーを作ろう』と言い出したところが始めで。だったらシチューもやろう、で増えていった感じです。」
食材の買い出しは監督自ら。限られた費用の中で多くの食材を集めるためこんな苦労も。
宮城監督「スーパーの開店の時間だと肉類が半額になる。そこを狙っていって一緒に並んで、それで買って。」
監督がここまでする背景には、選手一人ひとりへの思いがありました。
宮城監督「グラウンドいっぱいに部員がいるというのは、本当にありがたいことだなと、当たり前のことではないなと。」
以前には統廃合計画が持ち上がるなど、生徒数の減少が懸念されている本部高校。野球部も2年前には部員数は5人で、他校から選手を借りて大会に出た時期もありました。
そこに「地元から甲子園を目指そう」と、今の2年生14人が入部。現在も全体で選手は17人と決して多くはありませんが、苦しい時期を知っているからこそ、この人数でできることを、プラスに捉えることができています。
幸地怜央主将「17人というのは確かに少なくて、紅白戦とかもできないんですけど、それでも17人だから数多く打てますし、ノックとかも数を受けられるのでそこは良い面もあるかなと思います。」
そして今選手たちは、自分たちが甲子園に出て「地元を元気づけたい」という思いがあります。
茂刈海翔選手「ひっくりかえると思います。本部が変わると思います。自分たちが甲子園に行って、地域を盛り上げていこうという気でいっぱいなので、応援をお願いしたいです。」
センバツ出場校の発表は今月24日。小さな学校の大きな夢が叶うことを願いながら、その日を待ちます。