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様々な環境を理由に家族と一緒に暮らせない子どもたちを受け入れ、保護する児童相談所。

社会のセーフティーネットとして大きな役割を果たしていますが、そんな中にあって児相に保護された障害のある子どもと、その家族がある問題に直面しました。その対応は適切だったのか。問題点を考えます。

軽度の障害があるヒロシくん(仮名)「バスケも好きでしたし、旗頭も好きでした」

やや小さな声でマイクに向かうのはことし16歳になるヒロシくん(仮名)。見た目からは分かりませんが、軽度の知的障害や適応障害があります。

障害児と児相 どう向き合う?

ヒロシくんの保護者「コインパーキングのお金も払ったのにどうするのか?と詰め寄ってきて、本人はそれでも残りたいというふうになって、職員がヒロシに馬乗りになって手を出してしまったと」

去年6月ごろに開催された中体連で起きた出来事を語るのはヒロシくん(仮名)を、親代わりで面倒を見る親戚の男性です。

男性によると、ヒロシくんは、思いやりのあるとても優しい子どもだったのですが親の暴力などで、児童養護施設に預けられます。

しかし、その児童養護施設から学校に通っていたとき施設の職員から暴力を受けたというのです。

ヒロシくんの保護者「小学校の時に義理の父親から足を折られたりとか、アイロンで焼かれたりとかそういったことをされて病院側が連携して強制保護された子供に対して施設として発達障害があるとわかっておきながら手を出すということが本人はフラッシュバックじゃないけれど思い出すでしょ。」

この出来事を境に、週末は祖父母の家に預けられていたヒロシくんが、家で暴れるようになったといいます。

するとそれまで受け入れていた児童園から突然、病院へ入院することとなったのです。ヒロシくんや家族にとっては目まぐるしく変わる環境。

障害児と児相 どう向き合う?

さらに家族を驚かせる出来事が・・・病院を退院後通っていた福祉施設からある日、ヒロシくんが暴力をふるったとして警察を呼び手錠をかけたというのです。

軽度の障害があるヒロシ(仮名)くん「(Q.鑑別所は?)一人の部屋でみんなと喋れないので嫌でした」

ヒロシくんの保護者「あの子がどういう心境で鑑別にいたのか?そもそも寂しがり屋だから面会とかも辛いし、何かやりたくてもこれは法律だからとか児相もお答えできません。福祉施設もお答えできません」

障害児と児相 どう向き合う?

この時、児相は家族に、ヒロシ君を少年院に入れることや虐待した父親のいる家に戻すことなど4つの道を提案します。

ヒロシくんの保護者「私たちが守らないといけないど、守れない辛さが家族みんなきつくて」

行き場を失った・・・そう思った時、家族の前に救いの手が届きます。

障害者支援 親川修さん「さんたちが見聞きしたことが100であるとしたらそれは問題だと思います。不適切」

親川修さん。沖縄市で障害児童のデイサービス事業を行い長い間、障害者と関わっています。

今回の話を聞きつけ、すぐにヒロシくんの状況を把握、別の障害児支援施設への選択肢を示しました。

親川さんは、今回の家族と児相との間に必要だったのは情報の共有だったと指摘します。

障害児と児相 どう向き合う?

親川さん「最後は少年院しかないよとか鑑別所しかないよ。という選択肢ではなく、そこに行くまでの段階でいくつかの選択があったはず。セーフティーネットの中でこういう施設もあるよと様々に問題が起きたと同時に、様々な制度でうまくフォローしていってできるだけそこに行かさないという努力が抜けていた」

現在、ヒロシくんは、新しい施設で生活を始めていて、落ち着きを取り戻しているということです。

なお今回の件について児相は「プライバシーの問題なので応えられない」としています。

ヒロシくんの保護者「こういう子たちというのは見た目では絶対わからない。ただわがままを言っている子どもとしか映らない大人たちはいっぱいいるから、(子どもに)寄り添える居場所をもっともっと増やしていなかいといけないと思う」

親川さんが持っていた施設の情報を児相と共有していたら、状況はもっと以前に変わっていたのではないかと親川さんは話します。だからこそ、多様な情報の共有が必要だと指摘しています。

今回取材に取材に答えてくれたご家族は、同じような境遇の子や家族がいるかもしれない。そんな思いから答えていただきました。