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7つの市町村45万人の水が有害物質PFOS、PFOAで汚染されていた問題。市民団体が勉強会を開きました。汚染の現状と、立ち上がった人々を取材しました。

ジョンミッチェルさん「私は、知ることは大きな力になると思います。今日もお話を通してそして皆さまのご家族、知人を守っていけるように、安全を保てるような力をつけられるものになればと思います」

先週、金曜日と土曜日宜野湾市と北谷町で開かれた、フリージャーナリスト・ジョンミッチェルさんを招いた勉強会。

PFOS/PFOA汚染 ジョン・ミッチェルさん 現場調査

有害とされる有機フッ素化合物PFOS、PFOAによる水の汚染について考えようと市民団体が主催し、2日間でおよそ350人が参加しました。

来場者「水の問題に関心があるので来ました」「生活に直結してくるものなので。子どももいるので、小さい子も」

この中でミッチェルさんはアメリカ軍由来の汚染には4つのパターンがあると指摘しました。

ジョンミッチェルさん「PFASがいかに沖縄を汚染しているか、それには4つの経路がある。墜落、漏出、訓練、そして廃棄、投棄です」

中でも最も深刻なのが、基地内からの消火剤漏出だといいます。内部告発者から提供されたという動画を公開しました。

PFOS/PFOA汚染 ジョン・ミッチェルさん 現場調査

一面の真っ白な泡。それは去年5月、嘉手納基地であった泡消火剤の漏出事故です。有害物質が含まれているかはわかりませんが、一度事故が起きてしまえばどんなことになるかが伺えます。

ジョンミッチェルさん「このビデオからわかるのは、その被害の規模だと思います。どういう事故が起きているのか、どれだけの量が漏れ出しているのかがわかると思います。スプリンクラーや消防システムそのものが、非常に深刻にPFOSとPFOAに汚染されたものなっている。2014年から2017年に調査を行った結果、(嘉手納基地の)13地点で高いレベルの汚染が確認された」

7つの市町村、およそ45万人に飲料水を供給する北谷浄水場の取水源の汚染。

PFOS/PFOA汚染 ジョン・ミッチェルさん 現場調査

県が今月4日に発表した最新のデータでは、かねてから汚染が深刻な大工廻川は平均値、最大値とも、さらに悪化。また比謝川ポンプ場や、長田川取水ポンプ場などでは数値は低くなっているものの、相変わらず、高い傾向にあることがわかりました。

沖縄滞在中、ミッチェルさんは、汚染されていた川や湧き水などを見て回りました。案内するのは、嘉手納ピースアクションのメンバーたちです。ここは嘉手納町屋良にあるウブガー。地元の人たちにとっては神聖な場所です。しかし今、ここの水を飲むことはできません。

嘉手納ピースアクションのメンバー「最初に赤ちゃんを清めるところ」

ジョンミッチェルさん「ここは最も純粋な、神聖な場所だったけど、今は最も汚れているということ?」

嘉手納ピースアクションのメンバー「今回の調査の結果、一番びっくりしたのは屋良集落のみなさん。これまで聖地として毎年来て、拝みもしていたところが、一番高い数値が出たということで、非常にショックを受けていた」

神聖な場所までも汚していたPFOS/PFOA。このあと、ミッチェルさんはある場所をたずねました。

PFOS/PFOA汚染 ジョン・ミッチェルさん 現場調査

ウブガーの隣にある比謝川取水ポンプ場。今年度の調査でも最大値がアメリカの基準の2倍になっていることがわかりました。

嘉手納ピースアクションのメンバー「これが比謝川取水ポンプ場です」

ジョンミッチェルさん「ここの水は北谷浄水場に行くんですか?北谷からはどこへ?」

嘉手納ピースアクションのメンバー「北谷、宜野湾、北中城、中城、浦添、那覇。45万人」

ミッチェルさんには気になっている場所がありました。ここは嘉手納基地の向かい。国道58号を挟んで嘉手納マリーナがあります。実は、基地から出てきた配水は、国道の下を通り、そのまま海に流れ出しています。

PFOS/PFOA汚染 ジョン・ミッチェルさん 現場調査

ジョンミッチェルさん「ちょっと泡が出てきましたよ」

勉強会でミッチェルさんは、この場所に関する重大な情報を明らかにしました。

ジョンミッチェルさん「世界中のほとんどすべての空軍基地で、消火訓練を行うピットというものがあります。これは、FOIAの報告書で嘉手納マリーナ近くの海に泡消火剤がトレーニングエリアから漏れ出したとしています。(きょう)見に行ったら基地の外に排水溝から泡が漏れ出していました」

来場者「こんなにまで汚染されているは知らなかったです。本当にびっくりしました」「初めて聞かされたようなことがいっぱいあって。非常にみんな心配しているわけですよね。特に子どもや幼児に対する県民あげて総出でやっていかないといけない」

PFOS/PFOA汚染 ジョン・ミッチェルさん 現場調査

ジョンミッチェルさん「けさ様々な汚染カ所を見て回りました。学校に近い場所はどうかなど、そしてこれは、非常に沖縄の人々の命に近い問題だとわかりました。沖縄の人は(行政に)わからせるために、声をあげる必要があります」

県が取水源の汚染を発表してからもうすぐ4年。県民は自ら学び、この問題に立ち向かおうとしています。