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2019年7月の参議院選挙で、1票の価値に格差が生じたのは憲法違反だとして、県内の有権者が選挙の無効を訴えていた裁判。福岡高裁那覇支部は11月13日、「著しい不平等状態とはいえない」として合憲の判断を示しました。
この裁判は、沖縄市の斎藤祐介弁護士が、2019年7月に行われた参議院選挙で、議員1人当たりの有権者数が最も少ない福井選挙区と比べ、沖縄ではおよそ1.8倍、宮城では3倍となり不平等で、憲法違反だとして選挙の無効を訴えていたものです。
13日の判決で、福岡高裁那覇支部の大久保正道裁判長は、「国会で選挙制度の抜本的な見直しがされたとは言い難いが、見直しには相当の時間を要する」「意見の問題が生ずる程度に著しい不平等状態にあったものとはいえない」などとして「合憲」との判断を示し、選挙無効の請求を棄却しました。
代理人小口幸人弁護士は「国民の権利が守られるためには、3つの権利がしっかりと争ってもらわなければいけない。日本の裁判所は現状、国会や内閣に甘いのが続いていて、憲法に定められている1人1票という基本的なことすら守られない状況が続いてしまう」と話していました。
「1票の格差」をめぐっては、全国で同様の訴訟があり、13日までに出た14の判決のうち、2件で「違憲状態」、12件で「合憲」の判断がなされています。