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今年2月、番組では、不登校の子どもたちと音楽家が一緒に作り上げたミュージカルを取り上げました。その舞台が来年も開かれることになったということで、子どもたちのもとにお邪魔してきました。

学校に行けなくなった子どもたちの居場所、kukulu。ここでは、月に1回、プロの音楽家たちが訪れ音楽ワークショップを開いています。去年から始まったワークショップ。練習を重ね、今年2月には、初めて発表の舞台に立ちました。披露したミュージカルでは実際にあった学校でのできごとや、不登校の気持ちを、ユーモアいっぱいに表現。

「席がな~い、席がな~い。友達、ゼロ~♪」

あれから、半年。新城飛翼さん「半分、1の方歌って、こうじゃないのって直して、次にフルでパプリカ歌う」

来年も、発表会を開くことが決まりどんな舞台にするのか、話合いが始まっていました。

不登校の子どもたちと音楽家が一緒に作り上げるミュージカル。参加する人数も少し増えました。

新城飛翼さん「前は(ミュージカルメンバー)3、4人しかいなかったんで、今度は何十人になると思う。めっちゃ楽しみです」「新海誠超えますからね」

いきいきと皆をひっぱるのは、前回もリーダーを務めた飛翼さん。ユニークなアイディアが溢れだす、そのわけは。

飛翼さん「不登校になって暇だった時に、頭の中で自分で話作ってみたり、ひとりごとのように、ブツブツ、セリフを言ってちょっとおかしなやつなんですけど、ストーリー作るのが好きなんで、結構得意なもの。」

学校に行けなかった時間に、自分の好きなもの、得意なものを見つけることができました。そして、もう一人、新しいリーダーが。初めてミュージカルに参加する虎之介さんです。

橘虎之介さん「自分も(去年の)あの劇見て、やってみたいなっていう事で、いろいろ挑戦してるって感じです。」

飛翼さんと一緒にオリジナルの脚本を考えている虎之介さん。彼が学校にいけなくなったのは同級生とのトラブルがきっかけでした。

橘虎之介さん「突発的で、クラスメイトと言い合って自分から行きにくくなってしまったなっていう部分があります。なんでしょうね、ちょっと嫌な部分を、言われ続けたんで」

橘虎之介さん

虎之介さん、今回の脚本作りでは良い言い合いができていました。

橘虎之介さん「結構ワクワクしながらやってますし、話してるうちに新しいのを思いついたりとか、いろいろ多いですね」

この日、久しぶりに参加するメンバーがいました。前回、飛翼さんと一緒に舞台を引っ張った、英樹さん。いじめがきっかけで不登校になりましたが時間をかけてkukuluで元気を取り戻し、大学受験にも合格。

この春から大学生になり、新しい学校生活が始まりました。しかし、、

国吉英樹さん

国吉英樹さん「4月まで頑張って行ってたんですけど、やっぱり周りの目も気になるし自分が劣っている感じがすごいして、自分がここに居ていいのだろうかっていう感じがしてて」「もう自分は駄目なのかもしれないと思って、いろんな人に相談し始めて、(学校側から)配慮とか、届け出を出せばできると話しも聞いて、それでもう一回がんばってみようと思って」

ミュージカル作りに奮闘する仲間を見て、英樹さんも、今回の舞台に立つことを決めました。

英樹さん「リーダー2人だけだと、虎之介と飛翼だけだと絶対大変だろうから。みんなで一心同体?何て言うんですかね、こういうとき。みんなで一緒に頑張れるように、完成に向けてやっていきたいなと思ってます」

辛い経験を乗り越えて、大きな声で歌いたい。そんな思いから生まれた新しいミュージカルのテーマは「トラウマの克服」。

虎之介さん「1年前の大会で失敗していまい、それを引きずっているというかトラウマ着気味になりながら。現在でもまだその傷は癒えてなくて・・・」

主人公のセリフや歌にはkukuluのみんなの気持ちを重ねています。

うた「昔の失敗思い出す~♪もう忘れたい、楽しかったし戻りたいけど、今でも夢に出てくる、でも合わせる顔がない、もう忘れたいよ」

音楽家たちの力を借りながら、歌詞やストーリー展開、登場人物の性格まで、一から考えていきます。

鶴見さん

作曲家 鶴見さん「自分たちの状況に合わせたテーマで作れるというかここまでできるんだ。何にも誰も教えてないのにすごいなと思って」「みんなで話も考えてみんなで演じてみんなで歌ってっていう、理想的なものができるんじゃないかなと思ってますね」

元気になった子、元気をもらっている子・・・みんなで作り上げる、ミュージカル。本番まであと、3カ月です。

発表会は来年2月、てんぶす那覇で開かれる予定です。開催に向けて、音楽家たちは寄付を募っています。詳しくは「楽友協会おきなわ」で検索してください。