7つの市町村、およそ45万人の飲料水を揺るがすPFOS汚染。きょう、2つの市民団体が県企業局を訪れ、子どもたちに安全で安心な水を供給するよう訴えました。
午前10時、企業局を訪れたのは、子育て中のお母さんたちを中心に活動する「水の安全を求めるママの会です」
「まだ全然こんなことがあったと知らないお母さんもかなりいて、私が話をすると「何それ?」という反応です19 101104母子手帳などにも(情報を)入れてほしいと思いました」
北谷浄水場の取水源となっている、嘉手納基地周辺の河川や井戸水では、有害とされるPFOSやPFOAの汚染が深刻になっています。
また、このグラフに県が採用しているアメリカの環境保護局、EPAの基準値をあててみると…ほとんどの取水源で基準を超えていることがわかります。こうした事態に、県は活性炭フィルターで有害物質を除去し基準値を下回った状態で水を供給している、安全性は担保されていると説明しましたが…。
「今県の取り組みで感じるのは、(基準値)70を採用しました、70以下で安全です」までしかされていないと思うんです。
「予防というのは何よりも大事な観点かと思いますし、何かあってから「すいません、間違ってました」では困るんですよ。命や健康の問題ですから」
実は、国内にPFOS、PFOAを規制する基準がない中、企業局も苦しい状況を述べました。
企業局「数字(基準値)そのものをどのように評価するのかというのはこちらとしても苦慮するところでありますので、そもそも(基準値を)評価する機関ではないことからかんがみると、そうした評価はしっかりとした研究機関で評価する数字を参考にするべきだろう」
話し合いには、宜野湾市でタイモ農家を営む男性も参加。厳しい現状を訴えました。
宜野湾市大山のタイモ農家の男性「大山の水ってPFOSやPFOAが入っていて、それだと申し訳ないけど買えない」という声をいただくこともありますし、現場の声から言うと、僕らは風評被害ではなくて実害だと認識している」
さらにきょうは、北谷町の住民たちも企業局を訪れました。住民たちが求めたのは、汚染された河川からの取水を止めてほしいというものです。
町民「北谷浄水場に来ている水のなかで基地を通ってPFOSが含まれる取水を止めるっていうことができるのか、できないのか?今生きている私たちが、最も不安を感じていることなもんですから、それを努力していただけないかと」
企業局「水がどこにもないっていう状況になってくる可能性もありますので なかなか、その、今の水源状況を含めて、満々と水がある状況ではないってところがありますので、なかなか、簡単に水源を取水を停止するとかという判断にはなかなか難しいところがあるっていうのが、実情ではあります」
また住民たちは、県と国で町民の健康調査をするよう求めました。
女性「毒水をね、泥水のようにどんどんいくらでも飲みなさいって、私たちは心臓ドキドキです。飲めないですよ水は、水道は。わが身のようにですね、考えてください」
この問題が発覚しておよそ3年。7つの市町村、45万人の飲み水を脅かす事態に県民の不安は広がっています。