前回、宮古島の好景気の陰で起きている家賃の高騰や住環境の変化などをお伝えしました。いわゆる「宮古バブル」と呼ばれるものですが、その影響で島民が家から退去するように命じられるなどの実態がありました。島民の現状はどうなっているのか対策はないのか、取材しました。
人口およそ5万人の島に、去年は100万人を超える観光客が訪れるほど人気を誇っています。宮古島では急増する観光客に対応するため、急速なリゾート開発が始動。さらに市役所の新設や図書館などの施設の公共工事も重なり、建築作業員のためのアパートを確保をしたことなどから物件の需要が高まり、一気に家賃が高騰しました。
急激な経済成長の陰で、宮古バブルはこんなところにも余波が広がっていました・・
居酒屋(郷家)「いらっしゃいませ~」山城キャスター「きょうって空いてますか?」店員さん「予約してますか?」山城キャスター「予約してないです」店員さん「申し訳ございません。きょう、ご予約のお席で満席になってます。今週はもうずっと(来週の)月曜日までずっといっぱいですね」
居酒屋(さんご家)「今、満席いただいております。おかげさまで。この通りは予約しないでくると入れない可能性が高いです」
6軒目でようやく空席のある居酒屋にたどり着きました。曜日は関係なく、連日満席状態のお店がほとんどだといいます」
山城キャスター「みなさん、予約されてきたんですか?」お客さん「もちろん」「毎回予約じゃないと宮古島バブルだから入れない、ぱって入れる居酒屋がほしい」
島が好景気に沸く一方で市民の生活はいいことばかりではありません。
宮古島在住の方「(友人が)5万円から5万円上げられて家賃10万円になって」山城キャスター「5万から5万上げられたんですか!宮古島は給料が安いから潤ってるとかそうじゃないと思いますよ」
好景気に沸く宮古島、その陰で・・ 宮古島在住の方「声上げても誰かに市役所とかに言ったとしても、あの人はあんなに言ってたよ~っていうのを言われるのが怖い。誰かばれちゃうっていうのを不安になってる人はたくさんいるんじゃないかな」
宮古島在住の方「もともと宮古島に住んでたおじいおばあとかの話を聞くと、何十年も住んできて、家賃あげられたら年金とかで暮らしてる人はきついという話を聞きます」宮古島在住の方「観光業が盛んなので、地元の人が住みづらくなってるのは現状ある」
住環境や給料などに影響がでて市民が置き去りのまま開発が進んでいます。家賃が高いところで2LDKで25万円の物件もありました。
QABが以前取材した伊良部島で暮らすこちらの男性、男性の母の借家に新しい借り手が見つかったことで退去するよう命じられました。伊良部島には不動産がなく、家の貸し借りも個人対個人で行っているため、借りる側への保証がない状況です。
山城キャスター「一苦労ですね」友利さん「ここの地域で探すのはちょっと大変ですよね、難しいです。現状は」
母親が、先月までに退去するよう命じられていましたが希望する家が見つからなかったため大家との話し合いの結果、今も同じ家に住んでいます。
友利さん「例えば大型の集合住宅を行政が整備してくれるだとか、時間はかかってもいいので3年4年かかってもいいんですよ、今の現状を改善するように」
家賃の高騰で借り手が苦労している一方で急激な値上げを避けている貸し手もいます。濱本夕姫子さん「1LDKで13万とか、、半年探してもずっとそんな値段しかなくて、払っていけないじゃないですか。だから半年かかりましたね、やっと見つかったみたいな」
4月に東京から移住してきた濱本夕姫子さん、この家を見つけるまでに半年間民泊を続けようやく探し当てました。宮古島に移住したい人が、気軽に移住できない状況の一方で・・ 宮古島在住の方「そろそろもう下火になってると思いますよ。だってアパートとかもいっぱい建ってるじゃないですか」
バブルは長くは続かないとささやかれていますが・・ 島の不動産屋さんではそんな声を証明するかのような変化がみられるといいます。
美ら島トータルサポート 秦敏美さん「高い物件がもうなかなか決まらずにでてきているということと、土地なんかでも高止まりしてるところがあるのかなというところもあります。仕事を通じてかんじてるところなんですね。このまま終息に向かうかな?って思うんですが」
今まで高い家賃でもすぐに借り手が見つかっていたのに、ここ最近は、高い家賃の物件は敬遠されています。
友利さん「急に発展したのでそれにまだ地域が追い付いていない現状があるので、バランスよく成長と地域も一緒に成長していけるようにバランスよく成長できるような環境に早く落ち着いてほしいなという希望はあるんですけどね」
宮古島在住の方「住民が困ってることをちゃんとくみ取って、そこを改善できるような制度を作ってほしい」
こうした市民の現状の中、宮古島市役所は今後の見通しについて。宮古島市役所 企画調整課 上地さん「向こう2~3年のうちに観光管理施設の整備が落ち着いていくことによって安定した成長期に向かっていくのではないかと思います」
急激な経済成長の陰で、市民を取り残したまま起こる家賃高騰など、住環境の変化宮古バブルのつけは市民におしつけられたままです。