全米におよそ66万人の組合員を持つ労働者の団体が、沖縄の基地負担の現状をアメリカ国内に発信するため、沖縄を訪れています。
普天間第二小学校・桃原修校長は「(児童には)自分の身は自分で守れということで、避難行動という形で音がしたら音をしっかり聞け、そして目で確認してください(と話している)。これが現状です」と話しました。
「APALA」は全米に20以上の支部とおよそ66万人の組合員を持つ、移民系の労働組合で、沖縄を訪れるのは2回目です。視察初日の2019年10月20日は、宜野湾市の嘉数高台公園や普天間第2小学校の屋上から普天間基地を視察し、沖縄国際大学のヘリ墜落現場を訪れました。
APALAモニカ・タマラ議長は「政府が何の責任も取らない中で、教師とか校長先生が心を痛めてこの現状をどうにかしたいと思っていて、そうだけれどもこの現状に子供たちが慣れてしまっている。そういうことに対しても私は本当に心が痛い。これは決して普通ではありません」と話しました。
10月19日には、辺野古新基地建設に反対する決議を採択したAPALA。玉城知事がアメリカを訪れたことにも触れ、沖縄の現状をアメリカ国内に発信する必要性を訴えました。
APALAのメンバーは「(玉城知事が)米政府に訴えたことは非常にいいことだと思います。しかし、日米政府は協力し合って、苦しんでいる沖縄の人の民意を無視しています。今こそ、沖縄の人とアメリカの人が共に立ち上がる時です」と話しました。
また10月21日は、辺野古のキャンプシュワブを訪れ、新基地建設に抗議する市民らと交流しました。抗議活動をする市民男性は「力強かったのはアメリカ各地で活躍されている方々なので、これから辺野古問題をアメリカ国内を広げていけると期待しています」と話しました。
このあと船から新基地建設の現場を視察したメンバー。議長のモニカさんは、「私の両親はラオスからアメリカに来ました。アメリカがラオスを爆撃したからです。あらゆる方法でアメリカは戦争や帝国主義を広げて、何の責任も取りません。私は沖縄の人ではありませんが、家族や古里のために戦う気持ちはわかるのです。沖縄の問題は平和や尊厳、安全の問題でどこで生まれようと国籍がどこであろうと、共通の問題なのです」と話しました。
一行は10月23日に、オール沖縄会議主催のシンポジウムに登壇する予定です。