きのう大興奮の中行われた「那覇大綱挽」27万人の熱気に包まれました。この熱気のウラで、大綱挽の舞台作りにかかわった一人の女性を追いかけました。
大迫力の那覇大綱挽!発祥は琉球王国時代に遡る、県最大の伝統文化行事。毎年、多くの人で賑わいます。東西に分かれ、女綱の「みーんな」と男綱の「をぅーんな」をかぬち棒で繋げて力いっぱい引き合います。
引かれる大綱はギネスにも認定されている「世界一のわら綱」。今年の大綱は長さ200メートル、重さ40トン。この大綱を設置するために前日の夜、那覇の中心部 久茂地交差点から松山までの58号線の中央分離帯がはずされます。クレーンで吊り下げられた綱は、まるで龍。作業には多くの男たちが配置され、熟練の技で綱が設置されてゆきます。ところで、、、綱を乗せた大きなトレーラーを操るのは・・・一体、何者!?
那覇市港町(埋立地の突端付近、安謝新港そば)。大型クレーンをはじめとした重機がズラリ並んだ一角にある金功(きんこう)重機。その名の通り、工事や施設の施工で大型重機の派遣とそのオペレーションを請け負う会社です。
仲井間 紘さん「近づける・・・で下ろす・・OKですー」
仲井間 紘(なかいま・ひろ)さん22歳。トレーラーの運転手です。大宜味村出身で、北部農林高校を卒業した仲井間さん。入社1か月の新人です。
仲井間 紘さん「もうわからない事が多過ぎて。何していいかもわからないし次どうした方がいいのかも取り敢えず聞く事しか出来ないですね」
屋宜 憲一さん「彼女見てから弟子にしたいと思って。弟子にしました。素直で元気ありますよ」
仲井間さんの師匠、屋宜 憲一(やぎ・けんいち)さん。毎年請け負う那覇大綱挽の設置・撤収の一連の作業の総監督です。
仲井間 紘さん「初めての任された仕事っていうんですかね。ちょっと怖いです。(笑)皆に助けて貰いながら頑張ってみようかなと思います」
仲井間 紘さん「がんばろう~がんばりまーす!」
いよいよ大綱挽当日。早朝4時。大綱の運搬が始まります。
仲井間 紘さん「めっちゃ緊張します。怖いです」
大綱を乗せ、国道58号沿いをゆっくりと進む隊列。既に多くのクレーン車が待機しているなかに入ってくるトレーラー。先ずはうまく到着出来ました。道沿いに、いつの間にか大勢のギャラリー。この滅多にお目にかかれない、勇壮な光景のファンも多いようです。熱心に写真を撮るのは・・・仲井間さんの父親でした。
仲井間さん父「自慢には思いますね、思うんだけどやっぱり、うーん。体の負担がね、女の子だしね安全第一です、先ずは」
安全第一。慎重に作業が進められます。仲井間 紘さん「結構ドキドキしましたね怖かったです一応 指示通りには動けたかな」
午前7時。無事、大綱の設置が完了しました。
祭りの傍ら、重機の体験会も開催されます。男の子「楽しかった!」仲井間 紘さん「イエーイ!(子等に)テレビだよーバイバーイ!」女の子「大きくなったら工事の人になりたい」外国人客「COOL!Thank you!」
職場の先輩たち「頑張り屋さんですごくいい子ですよ、女性であんな大きいトラック運転してすごいなと思います」
いよいよ綱挽が始まりました。今年の勝負は意外な展開を見せました。4分間を過ぎたところで西の綱が切れて引き分けとなったんです。勝負のあとは勇壮な旗頭も加わって、祭りを盛り上げ、集まった27万人が熱狂の渦に包まれました。
祭りのあとは大綱の撤収作業です。無事、トレーラーに収められた大綱を運んでゆくその雄姿に拍手が送られます。
仲井間 紘さん「お疲れ様でーす!疲れましたー。いっぱい得るものがありました。(綱挽は)見てないです何も見てないです。いつの間にか引き終わってました」「こんなに人がいるんだって朝から思って吃驚しました」
脇目もふらず、自分の仕事に一生懸命。重機女子の修業は続きます。