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「国際協力」を担う次世代の人材育成を目的に、この夏、ベトナム、カンボジア、フィリピンに県内の高校生が派遣されました。国際協力における沖縄との関わり、途上国の現状に向き合った高校生に密着しました

Qプラスリポート 高校生がみたカンボジア

沖縄からおよそ3000キロ東南アジアのインドシナ半島に位置する「カンボジア」。海外資本の流入によって東南アジアでも屈指の経済成長を続けています。

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この国を訪れたのは県内の高校生13人。

与勝高校3年・屋冨祖七海さん「自分の五感をフル活用して全部吸収し、そこから自分が発展途上国にできることを考えたい」

沖縄尚学高校2年・沼田紗綾さん「カンボジアの歴史や平和構築のための勉強をして、沖縄のいろいろな方々にカンボジアのことを紹介したい」

戦争による悲劇を二度と繰り返さない。沖縄から何ができるのか。「私にできる1のこと」を胸にカンボジアへ向かいました。

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この日、高校生が訪れたのは首都プノンペンにある「国立母子保健センター」。カンボジアでの乳児死亡率は日本の10倍。ここでは産まれる命、産まれたばかりの命、そしてお母さんを守るため、JICAが技術協力プロジェクトを実施。

国立母子健康保険センター・母子継続ケア改善プロジェクト チーフアドバイザー・岩本あづささん「この病院ではモデルになるように、教材を作ったり教え方を練習したり、こういうことを毎日やっています」

「日本の赤ちゃんみたいで柔らかくて幸せです」「かわいい」「現場で見ないと学べないことがたくさんあると思うので、いっぱい吸収したいです」

那覇国際高校2年・知念大虹さん「(お産や育児に対して)知識不足はどのくらい深刻ですか」

岩本さん「かなり深刻です。基礎的な知識、特に年配の方は十分に身につけてから社会に出るという機会を失っている」

この国では1975年から3年8ヶ月に及んだポルポト政権下で数多くの罪のない人達が虐殺、国民の5分の1、およそ170万人の命が奪われました

伝統的な社会体系は失われ、医療は崩壊。残った医師はわずか45人といわれています。

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今でも深刻な医師不足に悩まされているカンボジア。プノンペンから車で1時間。昔ながらの農村が広がる地域で、日本の国際医療ボランティア団体「ジャパンハート」が『こども医療センター』を運営しています。

小児一般診療・小児がん治療のほか、成人の内科・外科および産科の診療を行っています。生徒たちは、おととし、この地に渡った県出身医師・嘉数真理子医師を訪問します。ついつい会話も弾みます。

沖縄出身の小児科医・嘉数真理子医師。日本では7割から8割が助かる小児がんが、途上国では2割にも満たないという事実に衝撃を受け、それを改善すべくボランティアでジャパンハートの活動に参加。

北山高校2年・當山明依さん「ボランティアで参加して一番うれしかったことは」

ジャパンハート・嘉数真理子医師「去年からこども医療センターも始めたが、大人も子どもも含めて、やった治療がうまくいって元気になって帰っていく、それがうれしい」

沖縄から世界に何ができるのか、高校生からの質問は止まりません

那覇西高校3年・島袋みことさん「将来めざしている人たちに伝えたいこと」

嘉数さん「ボランティアは誰のためにやっているかというと、結局自分のためなんだよね、自己満足。それでいいと思う、それで人が助けられる。やりたいことが見つからなければ、やっているうちに見つかることもある。それではないと思えば変えればいいんだよ」

嘉数さん「どんどん外に出て行って、沖縄のいいところを伝えていく。そこで学んだものを沖縄に持ち帰って交流していくと面白いかなと思う」

開邦高校2年・新城舞羽さん「まずは自分にできることから始めようと思った。今できることをちゃんとやろうと思った・

与勝高校3年・屋冨祖七海さん「嘉数医師の『人生一度きりだから自分のやりたいことはやった方がいいよ』といった言葉が印象に残った。純粋にかっこいいと思ったし、勇気をもらったというか、がんばります」

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トゥールスレン虐殺博物館。ポルポト政権時代に政治犯の収容所として使われ、2万人を超える人々が激しい拷問を受けた場所です。戦争の歴史を語り継ぐため、そのまま残された博物館。拷問の道具、亡くなった方々の写真、白骨などを展示しています

トゥールスレン虐殺博物館学芸員・ソーパーラーさん「ポル・ポト政権時代にこのような収容所はカンボジア全土で196カ所ありました。ここはその中でも一番大きかった場所です」

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同じ戦争に翻弄された歴史を持つ沖縄。戦争による悲劇を二度と繰り返さないよう、JICAの草の根事業として、沖縄平和祈念資料館、県立博物館・美術館と協力し、学芸員の育成、展示物の展示方法の改善等に取り組んできました。学芸員のソーパーラーさんも沖縄で研修を行いました。

学芸員・ソーパーラーさん「カンボジアは戦争体験者も少なくなった。若い世代にカンボジアの歴史を知ってもらい、二度と戦争を起こしてほしくないために展示しています」

沖縄尚学高校2年・沼田紗綾さん「現地の方が来ることは少ないと聞いた。この歴史は大事なこと。自分たちにできることはあると思うので、沖縄に持ち帰って、風化させないために何かできたらと思った」

開邦高校2年・新城舞羽さん「沖縄も沖縄戦があったから、カンボジアの人の気持ちを分かりえると思ったが、全然違い悲惨だった」

与勝高校3年・屋冨祖七海さん「やってはいけないことなのに、普通に許されていることがすごく悲しいことでした。自分が発信することで何かしら残ってくれたらと思いました」

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